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初心忘れるべからず

「初心忘れるべからず」という言葉をどのように使っておられますか。物事を始めようとした時の気持ちを忘れないように、過去を振り返って戒めるという意味で使ってらっしゃるのではないでしょうか。

「初心忘れるべからず」は能の源流を作った世阿弥が著者「花鏡」に残した言葉です。しかし、能の世界では6歳6ヶ月からお稽古を始めるそうですが、そのような幼き頃に自ら立派な志を立てそれを振り返れと言っているのでしょうか。少し違和感がありますよね。

初心は物事を始めた時の心ではありますが、それは一つだけとは限りません。何かを始める前には必ずハッとする瞬間があるでしょう。習い事であれば、素敵だなとか出来るようになりたいなとか憧れが原動力だったりします。習慣であれば本だったり講義だったりでスゴいと感動することがキッカケだったりしませんか。それらは成長と共に途中で変わったり増える事もあるでしょう。そんなハッとする瞬間も初心そのものです。

私は仏道学院という学舎に、自分自身の苦しみを和らげたい、法要で癒しを提供したいという思いで入学しました。その発心は勿論生涯にわたって保ち続けていきますが、学びの中でハッとして行動が変わるきっかけとなった初心も、その度に大切にしていきたいと思います。


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