季節の手仕事 桜の塩漬け
春とともに訪れる桜の花。早咲きの河津桜や寒緋桜に始まり、お花見でお馴染みの染井吉野が吹雪となった後に、遅咲きの八重桜が花開きます。
桜は花を愛でるだけでなく、実も葉も樹皮も、余すところなく恵みをくれる木です。
初夏の果物さくらんぼは桜の実で、佐藤錦をはじめ様々な品種が育成されています。八重桜の”関山(かんざん)”の花は色も濃く豪華な花振のため、好んで塩漬けにされ、お祝いの席で桜茶として振る舞われます。“大島桜(おおしまざくら)”の葉の塩漬けは桜餅に使われます。桜を塩漬けにした時の独特の香りは「クマリン」という成分で、リラクックスや二日酔いなどに効果があるそうです。また、桜の樹皮は「オウヒ」という生薬で、排膿・解毒作用があり、漢方薬の十味敗毒湯にも使われています。樹皮を使った草木染めではきれいな桜色に染めることができます。
2022年の春は、大井の里体験観光協会さんから分けていただいた“篠窪桜(しのくぼざくら)”を使い、春の手仕事「桜の塩漬け」に挑戦しました。
2023年も同様の体験会を用意されているので、気になる方は「神奈川大井の里体験観光協会」で検索してみてください。
桜の花:250g、梅酢:180ml、塩:30g がセットになっていました。無農薬で洗わずに使えると書いてあったので、ジップロックに全量を入れ、重さをして2週間漬け込んだ後、天日干しにしました。消毒した瓶に入れて完成です。
お白湯に浮かべたり、ご飯に混ぜ込んだり、ケーキの飾りにしたり。春のひとひらを楽しんでいます。