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プラスの言葉で世界を変える
仏教では苦しみを四苦八苦と紹介しています。
この世に生まれ落ちる「生」、年老いて色んなことが出来なくなっていく「老」、病気になる「病」、必ず死ぬという「死」、愛するものと別れる苦しみ「愛別離苦」、怨み憎むものに出会う苦しみ「怨憎会苦」、求めるものが得られない「求不得苦」、色受想行識をコントロールできない、肉体や精神の苦しみ「五蘊盛苦」。
意外なことに、四苦八苦は人間の心の中を描写しているのではなく、「起こっている現象」を描いています。現象と心は別物で、同じ現象であっても人によって受け取り方は変わります。例えば、1人でポツンといる人がいるとします。その方が「1人になりたい」と思っていれば心地よく感じているでしょうし、「みんなでワイワイしたい」と思っていれば寂しいと感じるでしょう。
肉体を持っているからにはそれに付随する苦しみは確かにあります。しかし、それ以上に心が掻き乱されるのはなぜでしょうか。お家で飼っている猫ちゃんはお腹が空いたとか痛いとか寂しいといった感覚,感情を持っています。けれど「私のにゃん生って一体なんだったんだろう」とか「この先どうやって生きていこうか」などといった悩みを持っているようには思われません。人間との違いは脳の賢さです。私たち人間は時の概念を持っており、未来を予測することができます。ただ、ちょっとばかりマイナスの想念を持ちやすいという特徴があるのです。
人間がぼーっと歩いている間に出てくる想念のうち、7〜8割はマイナスの想念であると言われています。なので、プラス思考の人とマイナス思考の人がいるわけでなく、マイナス思考が無くなることもないのです。ではプラス思考と言われる方がどうしてそう思われているかというと、「プラスの言葉」を出すことを意識的にされているからです。もしあなたがプラス思考になりたいと思われるのなら、プラスの言葉を使ってみましょう。「できる」「楽しい」「運がいい」「幸せ」「ありがたい」「嬉しい」。感情を込めて意識的に使っていくと少しずつ世界が変わっていきます。