イルミネーション

すっかりくたびれてしまって、文章を書く気にならない日がずっと続いている。

生活はなにも変わらない。私は相変わらず居心地の悪い実家でアルバイト生活をしていて、35歳の誕生日を過ぎてもずっと変わらない日々を過ごしている。

先日、アルバイトの帰りに桜木町による用事があったので、何年かぶりに桜木町を歩いた。

イルミネーションが光っていた。若いカップルや人々が写真を自撮りをしていた。

私はイルミネーションの光に対して、まったく自分の感情が動かないことを感じて、少し悲しくなった。昔は付き合っていたひととこういうイルミネーションを見にきて「きれいだね」と言い合った日が私にもあったのに。

最近登山をしている。自然のもたらしてくれる美しさ、たとえば今の時期なら紅葉や落葉を終えた木々の枝ぶりの美しさ。そういったものには感情が動く。美しいと感じる心が動く。しかし、人工のものがもたらす美しさに、私は心を動かされなくなってしまった。

山登りや自然と向き合う趣味のひとに、少なからず、ゆううつな雰囲気をまとい、厭世的な人が多いのはこういったことも関係しているのだろうかと思う。

自分の感受性が鈍化しているのだろうとも思う。茨木のり子さんの有名な歌
「自分の感受性くらい、自分でまもれ ばかものよ」

感受性というのは取扱の難しい観葉植物のようなものだ。
すこしでも手入れを怠るとすぐ枯れていってしまう。

私にもそんな日々があったのだ。


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