「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その10 鍵は「医療リテラシー」
日本の医療課題を解決したい、医療の未来をつくる仕事をしたい、その思いからマッキンゼーを辞めてメドレーに移ることにした豊田氏。
豊田氏が入社する前まではメドレーでは「ジョブメドレー」という医療介護の求人サイトのみを事業としていたそうです。
そんななか、豊田氏には一つの想いが。
医療リテラシーが上がらなければ、医療の課題は解決しない。
医療費の増大や医療現場の過酷な労働状況、診療データの共有不足によるムダの多い診療。予防医療の普及不足、過剰医療の蔓延、さまざまな医療の課題があります。
ここで言う医療リテラシーとはただ単に「病気の知識」とかというものではなく、もっと広い医療に対する知識の事。
日本人のほとんどは病院で生まれ病院で死ぬ。子供はワクチンを打ちますし、身内の誰かは高い確率でガンを患います。働いている人は毎月給料から社会保険料が税金と同じような感覚で引かれます。
現代の日本で医療に関わらないで生きることはまず不可能ですし、人生の大きなイベントには医療は関わってきます。
なのに。
一般の人の、医療というものに対する知識や意識がなさすぎる、不十分だと感じざるを得ないのです。
考えれば当たり前です。
まず教育の中で医療について学びません。
生物の授業はあっても、ガン細胞について、そもそもガンとはなにか学ぶことはありません。国会の仕組みを学んでも社会保険などの医療制度を学ぶことはありません。
生命保険や自動車保険については、入るときに比較してその金額や補償内容を調べることはあったとしても社会保険料については毎月給料から自動的に引かれるので調べるきっかけがありません。
医療は全ての人にとって重要な事。なのに、その一方で多くの人がまるで「他人事」のように感じてしまっているのです。
患者さん側の「医療リテラシーを高める」ことで医療に必要な変化は加速するはず。
こうしたことから「患者さんが医療リテラシーを高めることのできる場」、のちのオンライン医療辞典「MEDLEY」のコンセプトが決まったそうです。
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