健康の結論を読んで1 検査を受けて、予防する事の重要性
僕は200年生きると決めた。
そんな冒頭で始まる本書は2018年8月9日KADOKAWAから発行された堀江貴文著「健康の結論」である。
堀江貴文氏と言えば宇宙ロケット開発やスマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広い活動を展開する実業家。
先日は座学よりも実学、という理念のゼロ高等学院の開校を発表した。
2010年に創刊した有料メールマガジンは1万数千人の読者を持ち、
2014年にスタートしたオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」の会員数は約1600人にのぼり、常時あらたなプロジェクトが生まれている。
2015年より予防医療普及の為の取り組みを開始、2016年3月には「予防医療普及委員会」の発起人となる。
本作、「健康の結論」の監修の「予防医療普及委員会」は
2016年3月、堀江貴文や経営者、医者、クリエイター、起業家などの有志を中心に発足。予防医療に関する正しい知見を集め啓発、予防のためのアクションをさまざまな企業や団体と連携し推進している。
胃がんの主な原因である「ピロリ菌」の検査、除菌啓発を目的とした「ピ」プロジェクト、
大腸がん予防の為の検査の重要性を伝える「プ」プロジェクト、
病気予防の為の自己管理サービス「YOBO(ヨボウ)」をリリース。
そもそも医師でもない堀江氏がなぜ健康や医療を語るのか。
今、日本人のおよそ3人に1人はガンで死に、さらに3人に1人は心臓病か脳卒中で亡くなり、残りの人もほとんどが肺や腎臓などの病気で命を落とす。
これらを聞くと「特殊な医療技術が開発されないと、健康で長生きできない」と思いたくなる。
しかし調べていくと
「検査を受けて、予防する」
たったこれだけで治療が難しい病にかかる可能性がかなり減らせる。
だが現状、この簡単なことが知られていないし、やっていない人が多い。
言い換えれば簡単だからこそ実施しない人が多いのかもしれない。
堀江氏いわく、よく
「なぜ急に健康や予防医療に関心を持ち始めたのか」と聞かれるそうだ。だが堀江氏からすれば数年前から構想していたことが実現して、ようやく自分の主張が受け入れられた!というだけらしい。
例えば
胃がんとピロリ菌の関係性について研究し、世界的な成果をあげている上村直美先生(国立国際医療研究センター国府台病院)によれば
「少なくとも日本人は胃がんの99%はピロリ菌」が原因だと分かっている。ピロリ菌を除菌すればかなりの割合で胃がんは予防できるが、日本では毎年5万人も胃がんで亡くなっているという。
この本(というかこの記事)を読んだ方でピロリ菌検査をまだ受けていない人は一刻も早く検査を受けることを強くおススメする。
近年はネットでの情報が混沌としすぎて、「マイナスイオン」「空気清浄機」「水素水」などといった根拠の乏しい健康法が医学論文と同列のような扱いを受けている。
また、診療科を横断した「医師同士のつながり」の必要性も感じている。
耳鼻咽喉科で患者が治療中にうがいをした時の廃液を調べると、かなりの割合で子宮頸がんの原因となる「HPV」が見つかる
というものや
糖尿病の治療と歯周病が関連する、など。
診療科同士に交流があればもっと効率よく予防医療が促進できる場合は非常に多い。しかしお互い忙しすぎたり、垣根が高かったりと難しい。
そうした矛盾を少しでも解消する為に
予防医療について医療者を中心に議論するオンラインサロン
「予防医療を習慣化するwith予防医療普及委員会~未来の健康をつくる~」
が発足された。
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