「最高の休息法」を読んで 26 子育てにも効くマインドフルネス
マインドフルネスを教育に組み込む動きは非常に盛んで、子を持つ親の為にマインドフルネスを浸透させるトレーニングプログラムもありますし、「教師の為のマインドフルネス」というような本も出版されています。
実際、マインドフルネスにより子どもの成績が伸びたという研究報告もあります。
生徒たちには毎日3分×3回の瞑想のほか、食事やエクササイズなどにもマインドフルネスを組み込んだプログラムを4ヶ月にわたって実践したそうです。ここで強調したいのがマインドフルネスによる効果は学力、集中力の向上だけではないこと。
この研究では算数のテスト成績や注意力だけでなく、行動評価、唾液内のコルチゾール値(ストレスホルモン)、幸福度、同級生による評価など、あらゆる角度からマインドフルネスの効果を見ています。
結果、社会的な行動特性の上昇、攻撃性の低下がみられました。認知・感情コントロール力、プラス思考、思いやり、ストレスレベルなど全てにおいて優れた数値を出したのですから驚きです。
学力だけでなく、子どものあらゆるポテンシャルを総合的に引き上げてくれる可能性があるとなれば、子どものいる人にはかなり魅力的なのではないでしょうか?
また、子どもの行動が改善し、親子の関係性や親の自信にもポジティブな影響をもたらすことが分かっています。思春期の子どもの態度に悩む方の手がかり、になるかもしれません。
一方、たとえ3分程度でも子どもに瞑想をさせるのは至難の業かもしれません。そういう場合は10歳以上のお子さんであれば「試験のケアレスミスを減らそう」「暗記力を高めよう」など、分かりやすいゴールを設定すると納得してもらいやすいのではないでしょうか。
また、マインドフルネスを実践している有名人
サッカーの本田圭佑選手
アップルのスティーブ・ジョブズ
女優のエマ・ワトソン
など憧れの有名人を引き合いにだすと子どもにも自主的に取り組む態度が生まれやすくなります。
注意点は瞑想を妨げない環境を選ぶこと。
ゲーム、テレビなど子どもの注意を逸らすものが周囲にある場所は避けましょう。
また、料理や洗濯など、家事の音が聞こえないところが良いです。
誘惑の多い部屋や気が散る場所では、子どもにとって瞑想は「修行」のような苦行と感じてしまいます。
マインドフルネスの心地よさやリラックス効果を子ども自身が実感できる環境つくりも大切です。