いつもとちょっぴり違った商店街をめぐる、「ふくフク商店街」
文:大谷理歩(おおたに・りほ)
2024年2月24日に草加駅東口周辺エリアでフクシをテーマにいつもとはちょっぴり違う商店街を味わうことができる「ふくフク商店街」が開催されました。
この記事では、一見いつもと変わらない、けれど大人も子どもも、障がいのある人もない人も集まることで、フクシに溢れた景色が広がったイベント当日の様子をお伝えしていきたいと思います!
天気にも恵まれた当日は、協力いただいた商店街のスポットにふくフク研のメンバーが分かれて6つのコンテンツや企画を実施しました。表通りに面して企画の入り口のようになっていた「SOSO PARK」では、焚き火台でマシュマロを焼いたり、1月のトークライブに登壇された長野遼さんの電動車椅子の後ろに乗ることができるコンテンツ、その名も「ウーバーリョーツ」が体験できたり。ユニークな企画が盛りだくさん。大人にも大人気のウーバーリョーツでは、楽しそうに車椅子の後ろに乗る大人の姿を見て、子どももそのあとに続きます。
また、「SOSO PARK」では、同じく草加駅東側エリアにある「oyatsu&coffe PAKAN」さんと就労継続支援B型事業所がコラボして製作したクッキーの販売も実施。福祉用具などについて学んでいる学生が3Dプリンターでつくったオリジナルのクッキー型を使って大量生産を試みましたが、イベント前日は運営メンバーも加わるほど大忙しの状態に。試行錯誤を重ねながら焼いたクッキーは用意した100袋がほぼ完売となり、今後も継続して販売していくことが決まりました。
「野菜とお酒のバル スバル」さんでは、事前申し込みを経て集まった子どもたちがスープ餃子作りにチャレンジ。普段は目にしないような珍しい野菜が並ぶ中、思い思いに好きな野菜を選び、お気に入りの型抜きで野菜を切り抜き、自分だけの一皿を作っていきます。おしゃべりを楽しんだり、黙々と集中したり、できあがったスープ餃子はあっという間になくなっていました
また、「ecoma coffe」さんでは入り口に設置されたガチャガチャを回し、出てきたお題になりきる「なりきりカフェ」が実現。アイマスクを付けたまま過ごしたり、バッテンマスクを付けて喋ることが禁止されたり、ときには猫耳を付けたり。お題に沿って普段とは違う自分になりきります。障がいが選べないように、なりきるお題もランダムに決まります。このお題は特別支援学校の生徒さんのアイディアから生まれたのだそう。障がいを擬似体験するだけではなく、「ウルトラマン好き」になってみたり、「飴ちゃんを渡したい大阪のおばちゃん」になってみたり、いつもと違う自分になってみるという中から改めて自分を見つめられるコンテンツかもしれません。
「おーぐぱん」さんでは、特別メニューを提供。普段のお店にはない10種類の具材を自由にトッピングしてつくるオリジナルのサンドパンは2時間で完売してしまうほどの人気ぶり。福祉事業所から手伝いに来てくれた方がサンドパンの袋詰めを担当しましたが、ラッピングに使用したのも、これまた福祉事業所で当事者の方たちが押印した「おーぐぱん」さんのロゴが付いた特製紙袋。いろんなところに障がいのある方たちの関わりが見られます。
そして、「みんなの保健室 陽だまり」さんでは、休憩にお茶をする人、懐かしいゲームや折り紙に夢中になる人で賑わっていました。子どもが大人に折り紙を教える場面があったり、身体障がいのある方が飲むことのある「とろみのあるお茶」を飲む体験ができたり、休憩をしながらもいつもと違う立場を自然と体験できる、そんな場所になっていたように思います。
いつも目にする商店街のさまざまな場所で新たな出会いが生まれ、ふくフク研を通して繋がったメンバーの再会の場所となる。いつもと変わらないけど、目を凝らしてみれば様々なところにフクシに繋がる何かが潜んでいる。そんな、フクシに溢れた景色が見られたイベントになりました。
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