processing~記憶の部屋~#7「犠牲」
「滝川は大物政治家で籠山メディカル理化学研究所の執行役員だ。その後も調べるのち、滝川は真鍋と一緒に殺人ウイルス兵器を作りテロを起こそうとしていた。
真鍋はウイルスまでは作ることができたがワクチンは作ることができなかった。だから俺に依頼したんだ。」
「・・・ごほ!・・・ごほ!・・・」
槙野は突然咳をした。
手で口を押さえ、口から吐血をしていた。
「・・・そろそろかよ・・・」
『たっくん!?大丈夫!?』
「・・・大丈夫だ・・・。」
槙野は大きく深呼吸をした。
呼吸を整えまた話し始めた。
「俺は情報を集めた後、真鍋と話をした。こんなことをやめるよう訴えたんだ。しかしそれは流された。俺は告訴することも伝えた。しかしやつはそれでも動じず、応じなかった。そして悲劇は起きた。」
『・・・悲劇・・・』
真紀は下を向いて口を開いた。
「俺は当日、真鍋に会議室にて打ち合わせしたいとのことでチーム全員が呼ばれていた。俺は別の打ち合わせがあったため30分ほど遅れてその会議に参加することになった。・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
槙野が会議室に入る。
「遅れて申し訳ない。・・・・」
そこには真鍋が下を向いて立っている姿があった。
他のメンバーはいないが机には資料とやコップなどメンバーがいた形跡はある。
「真鍋さん、ほかのみんなは・・・」
机があり見えないが、かすかに人の声が聞こえていた。
「・・・まき・・・の・・・きちゃ・・だめ・・」
そこには浅倉、桃山、奥田の三人が倒れていた。
槙野はすぐに三人に駆け寄る。
「おい!どうした!?大丈夫か!?」
「あ・・・あ・・・」
3人とも気を失いかけている。
そして槙野は首に何かを刺された。
「う!・・・」
「許せ槙野。これも最終実験だ。」
真鍋が注射のようなもので槙野の首に薬を投与した。
「ま、、、真鍋!!!!」
槙野のは振り返り真鍋を押し倒した。
「な、なぜ効かない!まさか槙野・・・」
「ああ・・・いつどうなるか・・・わかない・・・だから常にワクチンは予防のために打っていた・・・。こんなことが許されるわけないだろ!目を覚ませ真鍋!」
叫んだ時、槙野は片膝をついた。
「は・・・はは・・・完全ではないようだな!特別にだ!もう少し強いウイルスを打ってやろう!」
胸ポケットからさらに注射のようなもを取り出す。
真鍋は槙野にまた薬を投与した。
「ま・・・・まて・・・う!・・・」
「ははは!!!!槙野!!お前は本当に優秀だ!天才だ!・・・でも今回はだめだったようだね?私こそ本当に天才だ!天才には犠牲はつきものだよな?ははは!」
「く・・・くそ・・・」
その時槙野は最後の力を振り絞った
胸ポケットから取り出し、笑い高ぶる真鍋の体当たりをした。
その瞬間、真鍋の口に取り出したものを押し付け飲ませた。
ゴクン・・・・・
「ん!?・・・な・・・なにを飲ませた!」
槙野は笑みを浮かべ、こう答える。
「・・・す・・・睡眠薬入り小型GPSだ。・・・時期に警察があんたを捕まえ、・・・法によって裁かれる・・・もう逃げられないぞ・・・天才にも犠牲はつきものだったよな?・・・もう終わりだ・・・」
「な、・・く・・・くそ!!!・・・」
真鍋は会議室から飛び出すように逃げ出した。
真鍋は倒れ意識がもうろうとした。
(・・・もう・・・終わりかな・・・兄貴・・・あとは・・・頼むよ。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
槙野は真実をすべて話した。
「・・・これが事件の真相だ。そしてこのウイルスは記憶を消すだけでないまだ未完成のウイルスだ。これを投与されたものは時期に死に至る。ワクチンを実験で打っていた俺は浅倉、桃山、奥田よりは死の経過は遅いが、2度もウイルスを打たれている・・・もう俺も間もなくみんなのところに行くだろう・・・」
槙野は浅倉、桃山、奥田の近くで話を始めた。
「兄貴・・・台本通り進めてくれてありがとう・・・真紀・・・君の協力なしでは俺は記憶を取り戻せなかったと思う・・・。」
『・・・う・・・たっくん・・・気づいてあげれなくて・・・ごめんなさい・・・』
真紀は辛さをこらえながら話す。
「・・・真紀・・・本当に・・・ありがとう・・・そして・・・」
槙野は言葉言いかけそのまま倒れた。
真紀は立ち上がり部屋から出ようとした。
その瞬間、俊が止めにかかった。
「真紀さん待つんだ!まだウイルスが充満している!そのままで行くのはまずい!」
「でも!でも!!」
「真紀さん落ち着け!あんたにはまだやることがある!!!」
真紀はゆっくり落ち着きを取り戻した。
その場でゆっくりと倒れこむ真紀。
俊はポケットからUSBを真紀に差し出した。
「これは拓からの最後の希望だ。このウイルスのワクチンのデータだ。」
「ワクチンのデータ・・・」
「そう、拓は俺にこれを渡し真紀さん渡すように言われた。ほぼ成功しているらしい。あとは君がこれを受け継ぐんだ。」
「わ、私がこれを・・・・」
「正直このウイルスが真鍋の手に収まってるとは限らない。彼らの分も生きてそして、もうこのようなことが起きないために。」
真紀はUSBをにぎりしめ大きく首を縦に振った。。。。
そして月日は3年がたった。。。
#7 「犠牲」 完
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槙野、浅倉、桃山、奥田の死
受け継がれた真紀の3年後へ
次回 #8 「メッセージ」
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↓ #8 「メッセージ」(完結)
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