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腕時計はなぜ左手に?

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■腕時計って普通は左手につけるんですか?

たまにそんな質問を頂きます。
販売している僕らも「それが普通だから」と、あまり深く考えず説明をしてしまいがちです。

ふと通勤電車で吊革に目をやると、腕時計を左手にはめている人が圧倒的に多いことに気づきます。
こうした光景も、実は時計の技術との関係があるのです。

■昔の時計は今よりずっと弱かった

18世紀までの時計は大きく、重たく、簡単に腕に着けられるものではありませんでした。
懐中時計としてベストのポケットなどに忍ばせ、時刻を見る時に鎖で引っ張り出す使い方が一般的でした。
現在ではファッションの一つとして、このような使い方を楽しむ人もいますが、当時は仕方がなかったのです。

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■日常生活で頻繁に壊れる時計

18世紀の末から懐中時計を小型化して腕時計が作られるようになりますが、時計は精密機械なので衝撃に弱かったのです。
ちょっとした弾みで部品が破損したり、駆動装置が外れて時計が止まるトラブルも日常的に起きていました。
こぶしでデスクを軽くたたくような動作でも、小さく細かい部品で組み上げられた腕時計にはかなりの重力が加わるからです。

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■時計店の文句から始まった

そこで出来るだけ時計にショックを与えないよう、時計店は「利き腕でない方への装着」を進めました。
そのためゼンマイを巻いたり針を操作する「リュウズ」は左手の装着を前提に3時位置に付けられたのです。

■1970年代の躍進

しかし、1970年代にクォーツやデジタル式など電子腕時計が普及すると、状況は変わっていきました。
電子腕時計は部品点数が少ない上に、一部の部品を樹脂を使用する事で、軽くタフな製品が出来るようになりました。
同時にリュウズを操作する手間もほとんどなくなったため、右手に装着しても不便は無くなりました。

■現代の時計は壊れにくい⁉

機械式時計の歴史も300年の間に随分進歩しました。
電子腕時計とまではいかないまでも、だいぶタフになった様です。
とはいえやはり精密機械。
どちらかというと壊れやすい部類のモノですね。
あくまでも昔の時計と比べれば、という考えではだいぶ壊れにくくなったと言えましょう。

しかしながら、「利き手ではない方への装着」からは解放された。とも言えます。

■結局どちらに着ける?

「どちらでも」というのが正解でしょう。

もちろん「壊れないように」という理由にもやはり統合性があります。
しかし「利き手ではない方に着けたから壊れた」と言われても困りますね。
今どきの腕時計はそこまでヤワじゃありません。

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僕の知人が「時計のチクタクという音が心臓の鼓動にリンクしてて、だから心臓に近い左手に着けるんでしょう?」と言っていました。
その時は「そんなわけないじゃん~」と軽く流したのですが、今思えば結構素敵な理由だなと思います。

いかがでしたでしょうか。

左手でも右手でも、はたまた両手にでも。
なんとなく着けるのも良いですが、そこに理由があれば尚良しですね。

是非自分流の時計スタイルを見つけて楽しんでみてくださいね。


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