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メカニクスの進化とパターンの落とし穴

こんにちは。
スポーツメンタルコーチの福岡正一です。

人類の進化とともに、様々なものも進化していきます。
高校野球から7年ほど遠ざかっていた2008年にあるご縁をいただいて強豪校へ専属審判として10年ほど通わせていただくことがありました。7年ぶりの高校野球でしたが、打者は前足をしっかり踏み込み球筋に対してバットを出し、多くの投手はチェンジアップを駆使しストライクゾーンでの緩急で勝負している光景を見て、それからさらに10年前の、当時は金属バットだった社会人野球に近いプレイスタイルで高校生の野球脳の進化に驚いたものです。

今日の高校野球ではご存じの通り金属バットを使用しています。新チームの2年生夏から1年もたてば体の成長とともにある程度の速球にはタイミングが合い当てれば飛んでいくので投手の完投も容易ではなく、中堅クラスのチームが強豪校を撃破することも珍しくはない時代です。そして打ち方投げ方というメカニクスや戦術もある程度パターン化され、それらは様々な手法で手に入るため、練習時間の違いで実力差はあっても勝負になると結果はわからないのが近代高校野球です。多くの人にチャンスが訪れる分にはいい風潮だと思いますが、逆に言うとみんな同じ投げ方、同じ打ち方で、個人的には味気なく感じることも多くなりました。物事の進化においてはいい意味で捉えていますが、こういったパターンを体に染み込ませることだけでは勝負勘は育ちません。

練習試合を問わず今まで1球もストライクが入らない球が勝負どころでは100%いけると感じたり、打つなと言われた球がその時に限って絶対打てる、などの勝負所で瞬時に沸き起こるあっと驚くひらめきに反応できなくなると、指導者の言う通りにしか動けず結果が出にくくなります。

方法論という新しい脳では一瞬考えてしまい行動がワンテンポ遅れてしまいます。〝ひらめき〟という古い脳を研ぎ澄まし勝負勘を磨いていきましょう。

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