ガラパゴス諸島の生成過程
ガラパゴス諸島はいつ頃、いかにしてできたのか? この謎に対して、古来、多くの科学者たちが仮説を提案してきた。そのひとつは、ガラパゴス諸島は、かつて大陸と陸地でつながっていたが、その陸地が海中に陥没して取り残された、とする説である。実際、ガラパゴス諸島から見て北東、中南米の方向の海底には、ココス海嶺と呼ばれる海底隆起が、ガラパゴス諸島から見て東、エクアドル方向には、カーネギー海嶺という海底隆起がある。これらの隆起はかつての陸だった名残かもしれないというのである。この説をとれば、ガラパゴスの生物たちが陸伝いに渡ってこられる時期があったことになる。しかし、ガラパゴスの生態系を見れば、それは不自然なことに映る。ガラパゴスには大型の哺乳類はひとつもいない。ゾウガメやイグアナといった爬虫類はいるが、カエルやイモリなど両生類はいない。昆虫も限られた種がいるのみで、南米を代表するようなモルフォチョウやアゲハチョウといった美麗種、あるいはヘラクレスカブトムシやゾウカブトムシといった大型甲虫もいない。
虫好きの私が今回の旅で見つけた昆虫はごくわずかだった。
スカレシアの花にとまるオオカバマダラ(サンタ・クルス島)
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【写真撮影】阿部雄介
*地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。
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