波を読む――ウェット・ランディングの心得
私たちは、マーベル号の船尾のデッキから、ゴムボートに乗り換えて島に向かって進んでいった。ゴムボートには小型のスクリューエンジンと舵がついていて、副船長のグァーポがそれを巧みに操っていた。島への上陸地点は狭い湾で、そこだけ小さな砂浜になっていた。砂浜まであと50メートルほどの地点で、グァーポはエンジンを止めた。私たちのゴムボートは波に揺られながら上がったり下がったりした。しばらく時間が流れた。グァーポはじっと沖合の方を見ている。マーベル号が海上に小さく見える。
「波を待っているんです」
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【写真撮影】阿部雄介
*地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。
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