生物進化とは−自然と人間の関係・生命観を問い直す②|福岡伸一 講演
2021年に朝日カルチャーセンターにて開催された、福岡伸一による講座(全2回)を編集して掲載します。
「退化」も「進化」
ダーウィンは、自然選択による進化を唱え、自然選択によって環境に適応したものが選抜されていくと考えました。環境に選抜されるというのはどういうことかと言うと、その変化が、生き残るために有利(生存や繁殖のチャンスを増やすもの)であれば、当然そういう変化を経た個体は、より多くの子どもを残すことができる。これが自然選択です。より配偶者を見つけるのに有利、より子孫を残すのに有利な変化が選抜されるわけです。だから、変化自体はランダムに起きても、その選抜は環境に適合して、より生存に有利なものが選抜されることになります。突然変異が起きて、ランダムな変化の中から、自然選択によって有利な形質が選抜され、残っていく。だから現在の多様性があるというふうにダーウィンの進化論では考えます。
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【写真撮影】阿部雄介
*地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。
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