フロレアナ島④|ガラパゴス旅日記
午後、私たちは再びフロレアナ島を探検した。今度は、ブラック・ビーチと呼ばれる砂浜にゴムボートを近づけて、ゴムボートが波に乗って砂浜近くに打ち寄せられた瞬間に飛び降りて、浜辺に降り立つ方法―ウェット・ランディング―によって上陸した。こう書くとかっこいいのだが、慣れるまでが大変だった。ちょっとタイミングを逸すると下半身がずぶ濡れになる。実際、私はそうなった。波の引きをよく見極めないとならないのだ。
ブラック・ビーチはその名のとおり黒い砂が続く砂浜だった。溶岩でできたガラパゴス諸島では砂浜がある場所は限られている。長い火山活動のあと、溶岩流が冷えて、削られ、遠浅の海となり、そこに、これまた膨大な時間をかけて繰り返し波が砂を運んでくる。色が黒いのは、砂に鉄分が多く含まれているからだろう。
砂浜は、人間にとっての上陸ポイントであるとともに―実際、最初の入植者たちは、このブラック・ビーチに小舟をつけて上陸してきた―海の動物たちにとっても貴重な上陸ポイントとなる。
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【写真撮影】阿部雄介
*地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。
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ガラパゴス諸島を探検したダーウィンの航路を忠実にたどる旅をしたい、という私の生涯の夢がついに実現しました。実際に行ってみると、ガラパゴスは…
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