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レンズの焦点―捨てる神あれば、拾う神あり②

ちょっと思い出したことがある。

2020年に、私は大阪・関西万博(EXPO 2025)のテーマ館プロデューサーというもののひとりに選出された。2025年に、大阪・夢洲地区に招致されることが決定した国際博覧会のテーマ館のひとつ「いのちを知る」パビリオンの企画・立案をするという役割だ。

私は、そもそも委員とか何何長とかプロデューサーとかといった立場が苦手である。ものごとを調整したり、異なる意見を集約したり、リーダーシップを発揮するというのがからきしできないからだ。むしろ、ひとりで自由に虫を追っていたいタイプの人間である。

そうは思ったものの、EXPO 2025の統一テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」というものである。「いのち」である。「いのち」の今日的意味を、生物学の立場から是非、考えてほしいとの要請をいただき、引き受けることにした。私たちの世代は、1970年に、同じ大阪の地で開催されたEXPO'70 に大きな影響を受けた世代でもある。なので恩返しの意義も感じた。

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月3回以上は更新する予定です。 公式Twitterにて感想、コメントを書いていただけると嬉しいです。 *後に書籍化されるもの、カットされるものも含まれます。 【写真撮影】阿部雄介 *地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。 Portions Copyright (C) 2020 GeoCatalog Inc.

ガラパゴス諸島を探検したダーウィンの航路を忠実にたどる旅をしたい、という私の生涯の夢がついに実現しました。実際に行ってみると、ガラパゴスは…

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