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生物進化とは−自然と人間の関係・生命観を問い直す④|福岡伸一 講演

2021年に朝日カルチャーセンターにて開催された、福岡伸一による講座(全2回)を編集して掲載します。

最初の生命がどのようにして現われたのか

この旅を通して、ガラパゴス諸島自体が進化の実験場になっていると実感しました。そして、絶えず今もなお新しいニッチを求めて、生物たちが自由に活動しているという生命の現場を見ることができました。

ダーウィンの進化論は、基本的には生物の生命活動が進化の動因で、突然変異による偶然の変化と、その変化の中で環境に適した、より子孫を残しやすいものが生き残るという自然淘汰の2つで、生命の多様性を説明しています。

1859年、ダーウィンがこの仮説を『種の起源』として出版した時には、大センセーションが起こりました。というのも、キリスト教世界においては生物の多様性というのは、全て神様が作ったという聖書の『創世記』の記述を皆が信じていたからです。でも、ダーウィンは神様を持ち出さずに、生物の多様性を説明できるセオリーを提案したかったんですね。

ただ、ダーウィニズムも最初の生命がどうやって現れたかは説明できていません。現代科学でも、一番初めにどうやって原始的な細胞が立ち上がったのか、うまく説明することはできていないわけです。

宇宙から生命の種がやって来たという、パンスペルミア説みたいなのもありますが、これは宇宙のどこかに責任を転嫁しているだけで、最初の動的平衡たる生命現象がどうやって回転しだしたのか、これはなかなか説明できないわけです。これを何とか説明できれば、私ももう1冊新しい本が書けるのですが……これは未だに大きな謎として残っています。

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月3回以上は更新する予定です。 公式Twitterにて感想、コメントを書いていただけると嬉しいです。 *後に書籍化されるもの、カットされるものも含まれます。 【写真撮影】阿部雄介 *地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。 Portions Copyright (C) 2020 GeoCatalog Inc.

ガラパゴス諸島を探検したダーウィンの航路を忠実にたどる旅をしたい、という私の生涯の夢がついに実現しました。実際に行ってみると、ガラパゴスは…

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