レンズの焦点―捨てる神あれば、拾う神あり④
私は幼少時に東京から千葉県の松戸という街に引っ越し、駅の近くの高台にある相模台小学校というところを卒業した。だから『ようこそ先輩』も、ここの6年生を相手に授業することになった。そこはさすがNHK。講師の私、生徒たちの反応を撮るために左右に1台ずつ、さらに全体像を撮影するために天井にまで、カメラが設置された。
収録は、実質1時間ずつ、2日にわたって行われた。私は、あらかじめ生徒たちに宿題を出しておいた。その前の1週間のあいだに食べた食べ物、飲んだ飲み物を記録しておいてもらったのだ。それから体重の変化も。でも、献立の内容が大事なのではない。食べたものの「重さ」が大事なのだ。
小学生とはいえ6年生にもなると食欲旺盛。1日3食、ごはん、パン、おかず、合わせてかるく1キログラムは食べる。それから水を含め、飲み物も2リットル近く飲む。だから、生徒たちは、この1週間で、個人差はあるものの20キロくらい飲み食いしていることになる。
では、生徒たちが1日に「出す」ものは? 私は、紙粘土を用意しておいて、みんなに自分の出したものの模型を作ってもらって、その重さを量った。500グラムくらい。それから、おしっこ。これも個人差があるけれど、1日合わせると1リットルくらい。そうすると、出ていくものは、1.5キロ×7日だから、およそ10.5キロ。食べたものは、20キロ。その差は、9.5キロ。
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【写真撮影】阿部雄介
*地図はジオカタログ社製世界地図データRaumkarte(ラウムカルテ)を使用して編集・調製しました。
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