OBが語る!コネばっか?慶應幼稚舎入試のリアル
慶應幼稚舎は、幼少期から「個性を尊重し、自由に学びを楽しむ」姿勢を大切にする学校です。
その独自の教育理念と特色ある環境は、毎年多くのご家庭から注目されています。今回は、OBの視点から、慶應幼稚舎の基本情報やユニークな日常についてお伝えします。
入学とコネ・縁故
慶應幼稚舎の定員は男子96名、女子48名の144名程度です。2024年の倍率は、男子9.72倍、女子が12.46倍でした。
慶應幼稚舎の受験は、「コネ・縁故しか入れなそう」と感じる方が多いと思います。
確かにコネ・縁故がないとは言えませんが、かなり実力主義な試験体系です。
二世代前(受験生の祖父母の代)から繋がりのあるような超強力な縁故のある知り合いが不合格になった例もありますし、逆に普通の一般サラリーマン家庭から幼稚舎に進学した同級生もたくさんいました。
詳しく記載することは受験生の守秘義務に反するので発言を控えますが、試験の採点方式からしても実力の伴っていないお子様が一人の先生とのツテだけで合格を勝ち取ることはほぼ不可能です。
結局は実力で正面突破することが何より重要ですし、コネに頼った結果不合格だった時以上に後悔することはないでしょう。
また、たとえ志望校に合格しなかったとしても、お受験教育はその後の子どもの人生には確実に好影響を及ぼすと私は信じています。
記憶力や思考力と言った認知能力はもちろん、協調性やリーダーシップなどの非認知能力は、人との接し方一つで人生を左右されるような現代社会ではとても重要な「生きる術(すべ)」です。
福澤諭吉の「生まれによる身分制度を恨む」理念からしても、コネや縁故の合格への影響は今後さらに減っていく可能性もあるでしょう。
慶應幼稚舎の選考では、学力テストだけではなく、個々の「人間力」や「非認知能力」が重視されます。
具体的には、お子さまがどれだけ他の子供と協調できるか、また課題に対して前向きに取り組む姿勢が求められます。
これは、将来的に慶應義塾大学まで続く、慶應の「独立自尊の精神」に沿った人材を育てるためです。
独自のクラス編成
幼稚舎は、K組、E組、I組、O組の4クラスから構成されます。クラスごとにクラスカラーがあり、K組は青、E組は黄、I組は緑、O組は白です。
このクラス編成はメンバーが変わらずに6年間持ち上がりとなるため、子供同士の絆がとても強く醸成されるのが特徴です。
私も、いまだに幼稚舎の同窓会に参加し、様々な業界で活躍する仲間と交流しています。(同級生の進路傾向や人間性などについては、また別の投稿でご紹介いたします)
男子はほとんどが中等部(共学)か普通部(共学)に、女子はほとんどが中等部に進学します。
中学、高校では、一度進路がばらけますが、幼稚舎の生徒は95%が慶應義塾大学に進学するため、大学で再会する形となります。