どこまでする?就学前の学習に基準は必要?
11月に入り、入園・入学を意識される方も多いと思います。では、就学前の学習はどこまで進めたらいいのでしょうか?中には「算数では掛け算九九、国語では漢字をしています!」というご家庭もあるかもしれませんが、当教室ではそれ程までの先取り学習は推奨していません。むしろ、就学前には《あいさつ》や《返事》《身支度》など学校生活をする上で必要なスキルを身に付けてほしいと考えています。また、言葉遣いやお話の聞き方、話し方は一夜にして身に付くものではないので、日頃の生活の中で意識してほしい大切な部分です。とは言え、やはり《小学校に入ったらいきなり勉強!宿題!》ではちょっと心配ですよね。そのために行うのが就学前の学習です。ここで大切にしたいことは《学習習慣の維持・定着》です。歯磨きや入浴同様《お勉強》も生活の一部として習慣化してしまいましょう。そのためには楽しくお勉強をする、お勉強は楽しいと思う体験を積み重ねることが必要です。間違ったやり方で取組んでしまうと、結果、お子さんはオーバーワークとなったり、学習への自信や意欲を喪失する結果になりかねません。幼児の頃に抱く負の感情は後々まで尾を引く可能性もあるので、くれぐれも過剰なお勉強や学習において叱りつけることのないようにして下さい。この先、未来のある子ども達です。その子ども達が入学頃に勉強嫌いになってしまうのは本末転倒です。入学とは勉強との長い付き合いが始まる時期です。お子さんの負担になる学習、過度な先取り学習には十分に気を付けて下さい。
【学校には先生とお友達がいる】幼児のお子さんの学習をする際「どこまで進めるか?」は保護者の方も気になることの一つだと思います。私の場合、生徒さんの年齢や個々の能力を見ながら学習を進めていきます。算数が得意なお子さんは少し先取りをし、国語の苦手なお子さんには焦らず下地作りに励みます。この時期の学習はあくまで無理の無い範囲で、そしてお子さんが楽しんで取組めることが絶対条件です。解かせてみて「まだちょっと早いかな・・・」と思う問題はまた日を置いてから取組むようにします。発達や成長の時期には個人差があるので、無理やり教え込んでも良い結果は生まれません。大切なこの時期だからこそ、下地作り、基礎固め、これを疎かにしたくありません。そして、基礎力をしっかり身に付けた状態で入学を迎えればそこには先生やお友達が居ます。また、幼児期には文字や数にあまり興味が持てなくても、集団の力により能力が引き上げられるタイプのお子さんも居ます。焦らず、心と体の準備をして(あとは用品も!)入学の日を心待ちにして下さい。
【就学前の学習に基準は必要か?】幼児のお子さんは幼稚園、保育園とその子その子によって通っている施設、保育時間も異なります。また幼稚園一つとっても自由保育で基本、読み書きやお勉強は一切なしの園もあれば、未就園児さんから様々なカリキュラムが組まれている園もあります。そのようにバラバラと言ってはなんですが、学習環境の異なるお子さん達が小学校に上がれば校区で決められた学校へ通います。この時に少なからずそれまでの学習環境の差、ギャップが生じることがあります。国も就学前教育のガイドライン作りに力を入れ始めた今日ですから、いずれは最低ラインとも言える学習基準が明確化される可能性もあります。小1の壁、小1プロブレムの解消には幼小双方の情報の共有、連携が不可欠であると考えています。
それでは、次回もどうぞお楽しみに