#31 アンパンマン あの子にあげて いいからね ぬいぐるみの瞳(め)が潤んで見える

お立ち寄りいただきありがとうございます。
31文字で日々の気づきを綴る、福盛るんです。

「アンパンマン あの子にあげて いいからね 
 ぬいぐるみの瞳(め)が 潤んで見える」

上記の31文字、前半の「アンパンマン、あの子にあげて いいからね」
は娘が3歳終わり頃に言ったセリフです。
お友だちの〇〇ちゃんにあげようかな~と何日か考えていた時間もありましたが、娘があっさりアンパンマンを卒業すると決めた一言でした。

娘は1歳前後からアンパンマンにハマりました。
始まりはアンパンマンのことばえほん(図鑑)でした。
『アンパンマンはじめてのことばえほん ぐんぐん』フレーベル館
この本は息子(兄)が生まれた時に
私の母(ばあば)がプレゼントしてくれたものでした。
しかし、当の息子はアンパンマンにも、このことば絵本にもあまり興味を示さず本棚のインテリアになっておりました。
ところが、娘が生まれて言葉を発するようになった頃、
毎日のように、このアンパンマンのことばえほんを
読んで!と持ってきました。
毎日そのリクエストに応え、アンパンマンのキャラクターたちと共に描かれた車、花、生き物、家や町にあるものの名前を毎日毎日クイズ形式にしながら読み聞かせ、単語を覚えました。
ほとんど毎日、当時3歳の娘がこのことばえほんをリクエストするので、
表紙は、テープで補強しなければならないほどにボロボロになりました。
テレビのアンパンマンにもぬいぐるみのアンパンマンにも夢中になりました。アンパンマンの番組が終わると「アンパンマーン!アンパンマーン!」と泣きながら叫んでいました。
そんなにアンパンマンが好きなら~と、日に日に少しずつ増えていった
アンパンマンとその仲間たちのぬいぐるみは25体に。
25体のぬいぐるみをお友だちに見立て、娘は保育園の先生になりきった
保育園ごっこの劇も幾度となく繰り広げられました。
(監督・脚本・演出・セリフ=劇団ひとり娘
  ※すべて一人で演じていました)

2歳の誕生日には『アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDX』
ペンタッチでアンパンマンが言葉を読み上げてくれるタイプの図鑑をプレゼントしました。
もちろん娘は大喜び。毎日ペンタッチで図鑑に触れて、アンパンマンとしゃべりながら言葉を覚えていました。

あんなにあんなに大好きだったアンパンマン。
でもついに卒業する時が訪れました。
3歳になると、ザ・お人形への興味が強まってきた娘は
「ぽぽちゃんが欲しい。ぽぽちゃんのお世話がしたい」と。
興味の対象はアンパンマンから、リアルなお人形のポポちゃんへと移っていきました。
3歳の誕生日でぽぽちゃんのお人形をゲットした娘は、
ぽぽちゃんの髪の毛をとかしてあげ、くつをはかせてあげ、
ミルクを飲ませてあげ、まるで本物の妹をお世話するかのように
細やかなごっこ遊びにままごとに夢中になりました。

たくさんたくさんお世話になったアンパンマンは
ぽぽちゃんへと興味対象が移ったことで卒業となりました。

「アンパンマンあのこにあげていいからね」
そう言われたアンパンマンの瞳は
心なしか潤んでいるようにも見えました。
洗濯して乾燥機にかけられきれいになったアンパンマンは
きっと、あの子の成長を見届けていることでしょう。

アンパンマンとその仲間たち、
娘の成長を見守ってくれてどうもありがとうございました。

子供の興味を観察していると実に面白く興味深いです。
息子、娘の興味の対象もそれぞれに違い、相重なるところもあり、
そして歴史があります。

今回はアンパンマンに夢中になっていたころ、
そして卒業を迎えたころの娘のエピソードでした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

福盛るん


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