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140字小説|涙のホームラン

 ボールは美しい放物線を描き、これまた馬鹿正直な重力によって盆栽に直撃した。歓喜のホームランのはずが、違う意味で涙ぐむバッターの子。
「怒っていないよ。本当さ」とお爺さんはボールを返して笑った。「広い公園を用意できない大人にも責任はあるんだ。だからせめて広い心を持たんとな」



140字小説コンテスト 冬の星々
主催 ほしおさなえ氏 星々事務局
レギュレーション 〈広〉という言葉を用いること
指定字数 140字以内
📉 落選

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福永 諒
人生に必要なのは勇気、想像力、そして少しばかりのお金だ——とチャップリンも『ライムライト』で述べていますのでひとつ