ショートショート|ドアの向こうの季節
俺は部屋のドアを開き、そのまま押さえ、紳士みたいにまず後輩を室内に入れてやった。この彼とは大学のバドミントン部で交流がある。ちなみにダブルスも組んでいて、俺は前衛で彼は後衛。あんまり強くはない。
いきなり彼は文句を言った。
「うわあ、この部屋暑いですね」
俺は後ろから、自覚できるほどの素っ気なさで返事する。
「そうかい」
「クーラーが見当たりませんが、ぜひ欲しいところですよ」
「バカ言え」と俺は異を唱えた。「お前に文句を言われようと、俺はいつもこの部屋で日々の疲れを癒し