自縛霊(怖・短編小説)
ここは N市 N駅の1番線ホーム。
ホームは大変混雑していた。
『すいません。もう少しそちらに詰めてもらえませんか?』
隣の人が寄ってきたので、反対側の人にお願いした。
ここまで混雑すると隣の人と肌は接するし、他人の体臭や香水の匂いでもイライラしてくる。
『痛〜』
『すいません』
近くでも足を踏んでしまったのか、、色々とざわざわ聞こえてくる。
その時ホームに電車到着のアナウンスが響き渡った。
『まもなく、1番線に、列車がまいります。黄色い線まで、お下がりください。
まもなく、1番のりばに、S行きが、到着します。』
何も見えていなかった線路の先に鈍色の電車が現れ、減速しながらも徐々にその見える車体は大きくなっていた。
さぁ電車がホームに入る、、その時
《キ・キキー》鉄と鉄が擦れる音と悲鳴がホームにこだました。
『あちゃ〜また新入りだよ。』
『ちょっとそこ詰めてくれる?』
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