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sayanomoto75
悲しみは時の彼方へ(短編小説)
『私・・・』
私って何だったんだろう、、思い出せそうで思い出せなくて、、
《思い出す》って何?だんだん分からなくなる。
頭では何も分からないが、身体が勝手に小学校に向かう。
知らないのに《懐かしい道》
知らないのに《懐かしい景色》
懐かしいって何?景色って何?
目が勝手に桜の花びらを追い、涙がどんどん溢れてくる。
《どうして水が出てくるんだろう?》
水って?何だったっけ?
学校の認識が無いまま門をくぐる。
身体が勝手に小走りになり、涙は更に溢れてくる。
鉄棒の棒を何故だか掴む。
私?には分からないが、手?は覚えているんだろう、、
玄関?で靴?を脱ぐ。私?には分からないが、足が覚えているんだろう、、
《何故?》覚えているんだろう?
廊下?を歩く。
無意識に、身体の赴くままに教室?に入る。
手が勝手にイスを引き、身体が勝手にイスに座る。
引き出しから何故か本を出し、机の上に置いて開く。
何故だか分からない。自分が何かも分からない。
《自分?》《私?》何なんだろう、、、
すると目からは涙が溢れ出て、涙で潤んだ景色には、
【私?】と同じ【ゾンビ】が沢山沢山、、涙を流しながら教室に座っていた。