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聴・か・せ・て、、お願い、、(短編小説)
『ぷぅ〜ぅぅぅッ』
それは僕が初めて聴いた若い女の子のオナラだった。
それはそれは興奮して、、【聴きたい】【また聴きたい】【どうしても聴きたい】【なんとしても聴きたい】【どんな手を使ってでも聴きたい】【絶対聴いてやる】【聴くぞ】【聴かせろ】【屁を出せ】【屁をこけ】【出させてやる】【ふははははははははははははははは】【グギャーーーーー】【ウフウフウフウフウフッ】【グフッグフッグフッグフッグフ】
それ程までに聴きたかったのだ。
しかし僕は女の子にモテるタイプではない。
友達にもなってもらえない。
身長は152cm、体重75kg、キモ顔、水虫、ワキガ、多汗、フケ症頭、捻くれ者、偏執狂、頻尿、歯周病、すきっ歯、疣痔、湿った手のひら、流石にこれでは彼女はとても出来そうにない。
だから最初はオナラが出たらよく聴こえる静かな場所へ通った。
病院の待合室、本屋、図書館、美術館、、、誰も屁をしやがらねぇ、、
女子トイレにも潜入した。
《ブビビビビビビビビッ》
僕が聴きたいのは身の出る音じゃねぇ、、
それに直ぐ捕まった。
聴きたい、聴きたい、聴きたい、聴きたい、、
日に日にその願望はどんどん大きく成長した。
聴きたい、聴きたい、聴きたい、聴きたい、、
ずっとずっと後をつけた。
ずっとずっと見張ってた。
ずっとずっと盗聴した。
ずっとずっと監禁した。
なかなか僕の前でオナラをしない。
次から次に女の子を代えても僕の前では誰もオナラをしない。
何人並べてもオナラをしない。
何人連れてきてもオナラをしない、、
聴きたい、聴きたい、聴きたい、聴きたい、、
僕の前で何故オナラをしないのだ、、
頼んでも、お願いしても、懇願しても、土下座しても、叩いても、脅しても、蹴っても、殴っても、罵っても、泣いても、わめいても、エアーを送りこんでも、切り刻んでも、、
聴きたい、聴きたい、聴きたい、聴きたい、、
聴いてやる、聴いてやるぞ、待っておれ、、次は誰だ、次は誰だ、次は誰だ、次はお前か、、
いつか聴けるまで、、聴ける時まで、、僕はどんな努力も惜しまない。
ずっとずっと、、永遠に、、ずっと、、ずっと、、永遠に、、