地球は待っている(短編小説)
ある時から僕は何故か地球と話せる様になった。
でも仕事も忙しいし、面倒臭いし、、地球のことはずっと放ったらかしにしていた。
ある日僕は俗に(意識高い系)の方と知り合い、少しながらその考えに感化もされていた。
農薬の事、化学肥料の事、公害の事、ゴミの事、
考えてみると山を崩し森林を伐採し海を埋め川の流れを変え空気を汚し生物を絶滅させゴミを捨て、地球に酷いことばかりしてしまっている。
僕は久しぶりに地球に話しかけてみた。 《いつも人間が酷いことをしていてゴメンねと、、》
地球は笑っている。クスクスと笑っている。
『どうしたの?』僕は聞いてみた。
『だって、、、』地球は教えてくれた。 『君たちがウランを集めてもカドミウムを流しても水銀を撒き散らしても二酸化炭素を増やしてもプラスチックを捨てても【もともと全部僕の身体の一部だよ!】どうして酷いことなの?』
地球はクスクスとまた笑っている。 『イクチオサウルスが絶滅してもイルカが生まれるし、ブラキオサウルスが絶滅しても象が生まれる。なんで困るの?』
地球は笑い続けている。『【僕は】何にも困らないから気にしないで!!』
しばらくして地球はまた話す相手がいなくなってしまった。
でも地球は全然気にしていない。
きっとまた意思を疎通出来る生物が進化してくる事を知っているからだ。
どの生物か、どれくらいの期間がかかるか、どれくらい賢くなるか、、地球は楽しみにしている。
だからずっとずっと待っていられるのだ。