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年収査定は意味がない!絶対やるべきでない3つの理由

どうも覆面です。転職エージェント・新卒エージェント・自社採用・面接代行等の経験を積んできたからこそ「真実・裏側」を言いたい、でも実名では裏側までは立場上言えない…ということで記事を書いています。
今回は「年収査定」についてです。
転職新卒関係なく年収を気にしない方はいないですよね。
そこで「自分の年収ってどのくらいが適性なんだろう?」と思う気持ちは良く分かります。
ただここで「年収査定サービス」に申し込みするのは絶対お勧めしません。
その3つの理由を今回は説明します。

その1:登録を促すためのツールでしかない!


そもそもの話ですが、年収査定サービスをなぜ各社が展開しているかを考えてみましょう。
結論としては「自社のサービスに登録してほしいから」でしかありません。
年収査定サービスに申し込むためには、個人情報入力を必須にしている所もあります。
たとえばこちらは平均年収.jpのもの
https://heikinnenshu.jp/satei/
質問に答えていくといずれ以下のような質問が来ます。

名前、そしてこの次にはメールアドレスの登録を促されます。
もちろんダミーで登録しても良いでしょうが、そのダミー登録メールアドレスにはその後どういうメールが来るのか、は考えるまでもないですよね。
パソナが展開している年収診断も同様に、このような形で「スカウトサービスに登録する」を促す形となっています。

またほとんどの年収査定サービスではじき出される年収は「現在年収より少し上」の額が出るようになっています。
これは「転職すれば年収が上がるよ!」ということを伝え、出来るだけ転職を促したいからに他なりません。
実際にこの記事を書くにあたり覆面もこの他にも実験で何個かの年収査定サービスを利用してみましたが、そもそも「この質問回答だけで本当の年収は分からない」と断言できます。

その2:そもそも登録情報だけで年収ははじき出せない!


その方のおおよその適性年収をはじき出すためには、その方の職務経歴書や履歴書(もちろん完成版)が少なくても必要です。
加えて面接での評価でも変わりますし、受ける企業によって年収のレンジが決まっているので「いくらこのサイトで720万が適正評価だ!」と言われても「いやうちの企業だとあなたの年齢と経験諸々加味すると出せても650万なんだけど。。」ということもざらにあります。

ちなみに年収査定サービスの場合には2種類あり、
1.内部の社員が登録情報から査定しているもの
2. 蓄積データベースから独自のAIが査定しているもの
があります。

1の場合には書類の登録を促され、現職年収より上の年収を提示されるとともに十中八九登録した会社の担当者から連絡があり、「提示年収の理由を説明するためお会いしませんか?」という打診をされるだけです。

2のAIが査定というものも「うちの何百万人分もの登録データから割り出します!」と謳ってはいても、結局は
・学歴
・職務経歴(現職の規模など:上場企業か否か、人数は何人か、などを選択)
・現職年収
などの登録内容から概算を出しているにすぎず、「正直何のあてにもならない」提示年収です。
これら一般的な登録情報から年収が分かれば何の苦労もしません。

数多くの転職希望者と面談してきた覆面ですが、Aさんという例を挙げます。
Aさんは東大卒、東証一部上場の企業に入社し1社経験、30歳、現職700万円、という方でした。
この登録情報だけ見ればいわゆるピカピカ人材ですよね。
Aさんは既に各社の年収査定サービスに登録したそうで「一番低い査定でも750万以上の年収が出る」と提示されたそうです。
覆面がお会いした際、事前には詳細な職務経歴書などは送ってくれなかったため、面談時に詳細を伺いましたが、正直「その仕事内容なら500万円が適正なんだけど。。」と思ったものです。
経験としては、言ってしまえば金融業界のオペレーターで、言われるがままに右から左に仕事をしていただけだからです。
(むしろよく700万もの額を現職は出しているな、と思ったものです)
もし、その経験であっても人柄が非常に良く、かつマネジメント経験や規模なども重なってくれば、コンサルティングファームなどで合致するポジションがあるかもしれませんが、いずれにしてもそのようなポジションは一握りです。

つまり年収査定サービスに入力する情報ごときで真の年収査定は出来ず、経験の詳細はもちろんとして、実際にお会いしてお人柄や転職理由、希望条件なども総合的に判断して「この企業ならこのぐらいの年収が出るかもしれない」と初めて年収の概算が立つものだということです。
たとえ高卒かつ現職が10人の会社でも、良い仕事をしていて、人柄が次の会社にマッチし、かつ次に行く企業の年収レンジが現職より高ければ年収は上がります。

その3:年収査定を申し込む人は転職をしない!


最後に、これは覆面の主観とこれまでの経験則であって詳細な根拠があるわけではありませんが、「これまで年収査定から登録してきた人でちゃんとサポートできたことがない」という事実があります…
もちろん覆面の実力不足もあったと思います。
ただ、そもそも年収査定に申し込んでくるということは
a.転職をする気はそこまでない(まだ動き出すか迷っている段階)
b.かつ、年収が転職理由の大きな要素になっている
c.学歴や務めている会社の名前にプライドがあり、年収は上がるものだと思い込んでいる
場合が多いのです。

a.の場合は、キャリア相談に乗れるのが転職エージェントであるため全く問題ないのですが、アンド条件でb.が付いてくると「深く考えてない」方が多くなってきます。
年収が大きな要素になっているのは決して悪いことではなく、皆さん転職をするならば年収を上げたいと思うでしょうし、転職エージェントもそこは重々承知しています。
ただ、そもそもそこまで転職する気がない状態かつ「年収だけが理由で業務にはそこまで不満がなく、何をやりたいかが不明確」とまでなってしまうと、転職エージェントとしても「え~と何から話したものか。。。」と困ってしまいます。
かつさらにアンド条件でc.がついてくると説明も困難を極めます。
「この経験だとこういう企業じゃないと年収は上がらない」「その企業は受からない」ということを言っても信じてもらえず、苦情案件に繋がる可能性が高いためです。
ノルマ等もある転職エージェントであるならば「もっと転職しようとしている人に注力しよう」と思ってしまうのも気持ちは分かります。

もちろんそんな方ばかりでなく、転職も本気で考えていて、年収だけでなくやりたい業務なども明確で「まぁでも最初に適正年収が分かるなら知りたいな」という気持ちで年収査定サービスに申し込みされようとしている方がいたら、絶対に止めましょう。
「年収は上がる」という間違った査定が先入観として植え付けられるだけですし、上述のように思われてしまう可能性も高いためです。
「年収査定に申し込むぐらいならば普通に面談依頼をした方が良い」というのが結論です。

今回は年収査定ついて書かせて頂きました。
また業界裏話なども書いて行ければと思っていますので、よろしければ「スキ」やフォローを頂けると嬉しいです。覆面でした。

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