
レポート「まちのモビリティ学科」
はじめに
みなさんこんにちは!
連日、厳しい暑さが続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は8月27日に開催された「まちのモビリティ学科」のレポート記事をお届けします。
「まちのモビリティ学科」とは?
「まちのモビリティ学科」は、地域交通をテーマに現場でのフィールドワークや授業を通じて、自分や地域の移動について考え、新たな交通行動にチャレンジするきっかけをつくるための講座です。
今回の講師は、国土交通省福井運輸支局長の髙桒 宏之せんせい。
大学卒業後、国土交通省に入庁され、地域公共交通の活性化・再生などを担当されていました。
そもそも「モビリティ」とは
ところで、みなさんは「モビリティ」が、どのような意味か分かりますか?
せんせい曰く
モビリティ(Mobility)とは、移動という意味だけでなく、
・人々の自由な移動
・これを支える多様な移動の仕組み
を含む、幅広い使われ方をしている概念
(土井勉)https://kotsutorisetsu.com/202010251-2/
2023/08/21
「自由」で「多様」な移動とは、想像していたより奥が深いですね。
モビリティの意味が分かったところで、さっそく「まちのモビリティ学科」のスタートです。
【フィールドワーク】
まずは、せんせいからのお題に沿って、グループごとにJR福井駅西口広場を観察します。
せんせいからのお題は以下の通りです。
お題1:あなたはスイス人旅行者です。日本語が読めません。アルファベット、数字、ピクトグラムのみを頼りに目的地に行くバス乗り場を見つけてください。また、その乗り場で、次に出発するバス時刻を確認することはできますか?
お題2:あなたは昨日福井に引っ越して来ました。目的地に今から公共交通で行くため、行き方や費用をスマホで調べ、メモしてください。また、調べた交通手段の乗り場には無事たどり着けそうですか?

グループごとに様々な意見が飛び交います。
・「どの乗り場から乗ればいいのか分からない」
・「地図上に記載してあるものが、地名なのか公共施設なのか分からない」
外国人や来訪者の目線で観察することで、様々な課題が見つかりました。
次は、実際にえちぜん鉄道に乗車し、田原町駅に向かいます。

田原町駅到着後、フェニックスプラザに移動し、せんせいから地域公共交通についての授業を受けます。
【授業】

地域公共交通の現状や取組について、福井やフランスなどの事例も交えながら学びます。
▼地域公共交通の現状
地域公共交通を取り巻く状況は、人口減少による長期的な利用者の減少に加え、近年は、新型コロナウイルスの影響もあり、輸送需要が減少し、交通事業者の赤字が拡大するなど全国的に厳しさを増している。
▼地域公共交通が目指すべき目標
①住民、来訪者の移動手段の確保
②地域社会全体の価値向上
③安全・安心で質の高い運送サービスの提供
④新技術・サービスの活用による利便性の向上
▼地域公共交通の再生に向けて
①ローカル鉄道の再構築
②3つの共創(官民、事業者間、他分野)
③交通DX
④交通GX
を進めていくことが重要
「公共交通の判断基準は、黒字・赤字ではなく、地域社会の価値向上に貢献するかどうか」
せんせいの言葉に、会場からも納得の表情が見られました。
私自身も、地域公共交通は、ただの移動手段ではなく、まちのにぎわいや観光など、まちにとって欠かせない存在であることを改めて実感しました。
授業後は、福井鉄道で、田原町駅から福井城址大名町駅に向かいます。
最後に
福井城址大名町駅に到着後、通りかかった福井鉄道をバックに記念撮影。

最後にせんせいから「地域公共交通は、単なる移動手段ではなく、地域をつなぎ、未来を創る存在である」との言葉で締めくくられました。
福井を走る公共交通の全てが、住民にとって、いつまでも愛される存在であることが、移動しやすい社会をつくっていくために一番大切なのかもしれません。
今回のレポートは以上です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
今後もふくまち大学では様々な講座を開催します。
みなさまのご参加をお待ちしています!
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