ルールの中でこそ、個性は輝く。
何かにつけて多様性や個性が叫ばれている時代だ。
注目されたり人から賞賛されるには、人と違うことをしないといけないと考えている人も多いかもしれない。
先日も就活中の友人から「みんな同じリクルートスーツを着させられて、自分の個性を出せない」という相談を受けた。
だけども、自分の個性を知ってもらうためには人と違うことや違う格好をしないといけないというのは、果たして本当なのだろうか。ぼくはそれは半分本当で、半分は間違っていると思う。
確かに人と同じことをして勝負するのは無意味だ。ただ一方で人と同じルールで勝負をすることはむしろ個性を発揮する上ではなくてはならない前提だと思うから。
これは化学の対照実験と同じことが言える。内容物を正しく評価するには、その他を同じ環境に整えておく必要があるのだ。
PKを決めて賞賛されるのは、それがサッカーというルールに則っているから。当たり前だけど、いきなりボールを抱えてゴールネットに投げ込む選手に拍手を送る観客はいない。
決められたルールの中で独自性を発揮するのが個性だけど、ルールを壊すことが個性だと思っているのならそれは創造性や創意工夫の放棄に近いとぼくは思う。
他とは違う、わたしだけの個性。それを見つけてもらうにはまずはルールに従うことから始めること。等しく単色に染め上げられたキャンバスの上でこそ、個性という名の絵の具はより輝くはず。
大丈夫、あなたの個性はスーツなんかでは色褪せないから。
今日の1枚
スーツを着た中年男性がブロック塀の上に立って熱心に写真を撮っていた。その真剣な佇まいと服装のアンバランスさに惹かれて撮影。人が持つ熱い気持ちはスーツなんかじゃ隠せない。使ったフィルムはFUJICOLOR 業務用 100。
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