【第1回】疑義照会 問題 〈救急科:交通外傷編〉
薬剤師にとって疑義照会はとても緊張します。特に新人の頃や実習生にとっては最大の難関かもしれません。
とくにどういうことを薬剤師が疑義照会しているのかすらわからないと思います。
そういった問題に慣れていただくために問題を作ってみました。
なるべく頻繁に更新しますので是非、薬学生さん、薬剤師さん、その他医療従事者様も見てください😊
それでは第1回目
第1問
救急科 20才 男性 身長160㎝ 体重60㎏
検査値 WBC:8000 GOT:20 GPT:20 BUN:18 sCre:0.72 CRP:3.2
現病歴
本日午後階段を下りている最中に階段を踏み外し転落。転落時左足に激痛があり、救急外来へ。診断の結果、捻挫、打撲であり、頭部などの損傷はないため、痛み止めにて帰宅
処方
Rp1.ロキソプロフェン錠60㎎ 3錠 1日3回 毎食後 3日分
Rp2.レバミピド錠100㎎ 3錠 1日3回 毎食後 3日分
Rp3.アセトアミノフェン錠500㎎ 1回2錠 痛いとき 10回分
4時間空けて内服可能
さてこれであなたなら疑義照会は何をしますか?
ヒントは医薬品には投与量の上限が設定されています。それ以上を超えると副作用が出やすくなります。薬の上限について考えてみよう。
処方
Rp1.ロキソプロフェン錠60㎎ 3錠 1日3回 毎食後 3日分
Rp2.レバミピド錠100㎎ 3錠 1日3回 毎食後 3日分
Rp3.アセトアミノフェン錠500㎎ 1回2錠 痛いとき 10回分
4時間空けて内服可能
答えはここですね。
有名な話なのでピンときた方も多いのではないでしょうか?
アセトアミノフェンは代表的な解熱鎮痛剤です。比較的安全なお薬ですが、肝機能障害が出ることでも有名です。
そしてアセトアミノフェンは投与量の上限として4000㎎までとなっています。
この患者が1回1000㎎を時間ごとに内服してしまった場合1日に最大6000㎎内服できることになりますね。
疑義照会する場合は①1回の投与量を減らす、②投与感覚を6時間にする、③1日4回までと制限を付ける
などの選択肢が考えられますね。どれでも間違いではないと思います。最終的には医師の判断になります。
入院中だとよくあるのが点滴のアセトアミノフェンと合わせて投与量が超えていたり、トアラセットなど合剤でアセトアミノフェンが入っている薬と合わせて投与量上限を超えてしまう場合があるので要注意です。
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