【わかりやすく解説】特別国会で総理大臣を選ぶ仕組みと背景

2024年11月11日 12:30

★【わかりやすく解説】特別国会で総理大臣を選ぶ仕組みと背景

自民党と公明党が連立政権を組み、過半数の議席を持っているときは、通常、自民党の党首が総理大臣に選ばれます。これは、2つの政党が協力して過半数を確保しているので、自民党の方針に基づいて安定した政権運営ができるからです。

しかし、今回のように過半数を取れなかった場合には、特別国会が召集され、どの党の党首が総理大臣にふさわしいかを改めて議論・投票して決める必要があります。この投票によって、国会の多数派の支持を得られる人物が総理大臣に選出されます。

他党の協力が必須
過半数を失った場合、自民党・公明党の連立政権だけで総理大臣を決めることができないので、他の野党の協力が必要です。各党がそれぞれの候補を立て、誰が最も多くの支持を得るかを投票で決める形になります。
決選投票の可能性
初回の投票で過半数の支持を得る候補がいない場合、得票数が上位の2名（今回は自民党の石破氏と立憲民主党の野田氏）による決選投票が行われます。これで過半数の支持を得た候補が総理大臣となります。
総理大臣が与党から選ばれるとは限らない
過半数を持たない状況では、野党勢力の協力次第で、野党の党首が総理大臣に選ばれる可能性もあります。

こうして、今回の特別国会では、石破氏が再び総理大臣として支持を得るかどうかが、各党の協力関係によって決まる重要な場になっています。

まず、決選投票の「投票者」は国民ではなく、国会議員です。総理大臣指名選挙は国会で行われるため、衆議院と参議院の議員がそれぞれ投票します。国民が直接総理大臣を選ぶわけではなく、国民の代表として選ばれた国会議員たちが、投票で決定します。

衆議院と参議院で投票が行われる
まず、衆議院と参議院の両方で、各議員が「自分が支持する候補」に投票します。ここで過半数を取る候補が出れば、その候補が総理大臣に指名されます。
決選投票の実施
しかし、今回のように過半数を確保していない場合、初回の投票で過半数を獲得する候補がいないことが予想されます。その場合は、得票数が上位2名の候補による決選投票が行われます。決選投票でも、衆議院と参議院で再び各議員が票を投じ、最終的にどちらかの候補が過半数を獲得するまで続けられます。
衆議院の優越（しゅうぎいんのゆうえつ）
決選投票で、もし衆議院と参議院で異なる候補が選ばれた場合には、「衆議院の優越」という仕組みが働きます。これは、最終的に衆議院の決定が優先されるというルールで、国の代表者である総理大臣が選ばれます。今回は衆議院での結果が特に注目される理由です。

衆議院と参議院の議員が投票：総理大臣を選ぶのは国会議員です。一般の国民が直接総理大臣を選ぶ制度ではありませんが、国会議員が「国民の代表」としてその役割を担います。

衆議院の優越：もし衆参で意見が異なった場合、衆議院の決定が優先されます。これは、衆議院が参議院よりも解散がある分、国民の意思をより反映していると考えられているためです。

Q1. 決選投票って何度も行われるの？
A1. はい、必要に応じて何度も行われます。ただし、通常は1回の決選投票で最終的な候補が決まることが多いです。衆議院と参議院で異なる候補が選ばれた場合も、衆議院の結果が優先されるので、長引くことはあまりありません。

Q2. 国民はどうやって意見を反映するの？
A2. 国民は総理大臣を直接選ぶわけではありませんが、衆議院選挙で投票し、自分の代表者である国会議員を選ぶことで、間接的に総理大臣の選出に関わっています。