廃校跡の利活用について(埼玉県比企郡小川町のケース)
人口移動によって地域の学校が統廃合され、廃校となった跡地の利活用問題を常々考えています。埼玉県比企郡小川町の場合、かつて中学校だった旧校舎内の一部を、リノベーション工事を経て、レンタルスペースとして利活用する取り組みを進めています。レンタル事業を紹介するサイトはこちら。
この取り組みにわたしも興味をもち、かつ同じ郡内に住んでいて近いものですから、内覧会におじゃましました。整備された事業は「コワーキングエリア」と「レンタルキッチン・カフェスペース」の二つに大きく分かれます。
コワーキングエリアにはレンタルオフィスや貸し会議室がありました。
一方、学校だったエントランス部分は吹き抜けで開放的、廊下も広い。
仕事の情報共有にと、ミーティングルームもありました。
一方、起業してレンタルキッチンやカフェスペースとして利用したい方向けに、什器も充実していました。
かつて運動場であった場所には今後、高齢者介護事業所や賃貸集合住宅、子育て支援施設の建設計画があると小川町担当課の職員が説明してくださいました。
この事業に総事業費14億5,288万円かけ、そのうち6億7,021万円が「デジタル田園都市国家構想推進交付金」から、また6億6,110万円が「新型コロナ地方創生臨時交付金」から支出され、小川町の一般財源からは1億2,157万円の支出に止まったと資料にあります。また計7社から企業版ふるさと納税4,500万円が一般財源と備品購入費に充当されたと説明もありましたので、財源の捻出にずいぶん工夫が施されご苦労なさった様子、実に多くの方がこの計画に携わられた様子がうかがえます。
現段階で7社がコワーキングスペースとして利用契約されたと聞きますので、順調な滑り出しです。
わたしが気になったのはトイレの改修が進んでいない点。もちろん水洗で建設から比較的新しいのでしょうが、「暗い、冷たい学校のトイレ」を脱するものにはなっていません。あくまでわたしの印象です。
人口減少によって生じた、行政の余剰所有物の利活用。
どの自治体の住民にとっても大事なテーマで、決定的な妙案はないと思いますが、今回拝見してきた埼玉県比企郡小川町のケースを通して、住民が知恵と力を出せるよう、行政にはいままで以上の努力が求められるなと感じました。
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