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withコロナでのきき酒は、トリプル(プラカップ評価)スタンダードに?

こんにちは、安井郁子です。
記事を読んでくださる方、応援してくださる方、いつもありがとうございます。

令和3年酒造年度全国新酒鑑評会公開きき酒会

6月18日(土曜日)に、三年ぶりの全国新酒鑑評会公開きき酒会に参加しました。
会場は、今までの池袋サンシャインシティではなく、有楽町の東京国際フォーラムになります。
今回は、受賞酒全てが出ているわけではなく、「金賞受賞酒」のみの約200点に絞られての公開きき酒会になります。
チケットは、2時間の枠になりますが、200種類程度なので、急ぎ足ではありますが、全部制覇する時間がありました。

今年は、きき猪口ではなく、プラカップでのきき酒になります。
最初に配布される小冊子の【きき酒に当たっての注意事項】には、withコロナ/アフターコロナの中での ”新たな注意事項” が記載されています。

「きき酒の吐きだしは、入口で配布した吐器の中にお願いします」(凝固剤入り)

「きき酒を行ったプラカップは、入口で配布したビニール袋に各自捨てていただき、捨てる際には、封を閉めて不燃用のごみ袋に捨ててください」

といった、新ルールが加えられています。

色々な配慮のうえで、いくつもハードルをクリアにし、そのうえでなんとか開催をしていただきまして、関係者の方々のご努力に感謝申し上げます。

国際規格のワイングラス

日本酒を利き酒をする際に、きき猪口とワイングラスを用いるのでは、とらえ方が違い、ダブルスタンダードとして、対象のきき酒会等に合わせて、両方できき酒の練習をしてきました。

ワインのテイスティングの場合は、ISO(国際基準協会)により形・寸法が定められた国際規格のテイスティング用のワイングラスを用います。口径が48mm、 高さは155mm 、容量が215ccときめられており、形状も同じになります。
酒類業界人生はワインからで、国際規格のワイングラスを用いてのテイスティングが多かったせいもありますが、香りの特徴が分かりやすいと感じています。

テイスティンググラス
国際規格のワイングラス

本格きき猪口(蛇の目猪口)

今では、日本酒も国際規格のワイングラスで評価をする場合もありますが(日本ソムリエ協会でのテイスティングでは、こちらを使用しています)、
全国新酒鑑評会の審査において使われたきたのは、伝統的な蛇の目猪口の通称「本きき」です。

猪口は、白色の磁器で出来ており、本きき猪口は一合弱を注ぐことができる大きさになります。内側には、蛇の目と呼ばれる二重丸の青い模様が描かれています。上絵付けと言われる方法で、職人さんによって青色呉須(顔料)で、丁寧に蛇の目が描かれているそうです。なぜ青色かというと、お酒の色合いを判定しやすい(透明感や熟成をへた黄色みが分かりやすいように)とされています。

だいぶ昔ですが、滝野川で行われていた頃、同じ一つの器を手にとって試飲をして、そのまま所定の位置に戻すというやり方の時期もありました。
つまり、色々な人が口にしているところに、自分の口をつけて、試飲を繰り返していくのです…。
前の人の移り香が残っている場合もあり、ちょっと苦手でした…(>_<)

今では衛生上からも、考えられませんが!

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酒類総合研究所の正式な本きき猪口とスポイド

その後は、大きな本きき猪口から、配布された一人用の小さいきき猪口にスポイトで  移して試飲していくスタイルになりました。

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コロナ前は、こんな感じでした。

       

withコロナでのきき酒
プラカップ

三年ぶりの開催となった今年は、プラカップにてお酒が配られます。
コロナ前のように、小さなマイ猪口が配られ、スポイドで移してきく方法ではありません。
注意書きにあった通り、お酒が少量はいったプラカップを取り、きき酒をしおわったら、各自首から下げた「凝固剤の入った特製紙コップ(吐器)」に吐きだしながら、試飲をすすめていきます。

2022公開きき酒会 浦霞
スタッフがプラカップに金賞受賞酒を注ぎ分けていきます。
凝固剤の入った吐器用紙コップ
        凝固剤の入った吐器用紙コップ        

吐器の中には、白い凝固剤(吸水ポリマー)が入っています。
お酒を吐きだすと凝固剤が膨らみ、液体が飛び散ったりしないようになっています。

プラコップ
プラカップの金賞受賞酒


プラカップでの試飲は、会社でも行うことはありますが、やはり、香りがとらえづらく、マイきき猪口をもって試飲をすることのほうが多いです。

感染対策をしての開催自体が大変ありがたいことなので、プラカップ試飲は、致し方ないことではありますが…。

今回、公開ききさけ会で、関係者や愛好家が利き酒をするときだけでなく、
結審のきき酒の段階でも、以下の写真のように、プラカップで評価が行われているのです。(展示会場にあったパネルを写させていただき、部分的に拡大させていただきましたので、写りが良くないですが…)

酒類総研 での審査
コロナ対策の中で行われたきき酒審査の様子
室温を21~22℃、お酒の温度は18~20℃にコントロールされています。


とするなら、、、
今後もこの形式がしばらく続くことになるのであれば??ですが、、、、
プラカップにおいて「香味の調和や特徴が吟醸酒の品格及び飲用特性から特に良好である」と感じやすく、評価が高くなるように、、、 
とのお酒を研究される可能性があるようにも…

実際に、プラスチックカップでは、酢酸エチル系の香りを感じやすい傾向があるだろう…との配慮から、プラカップ対応の注意点、対策などを指導されていた県もあったとの話も…

雪の茅舎
雪の茅舎・金賞受賞酒

今年のお酒としては、県単位では、秋田、山形、福島、高知県などが印象に残りました。
全体的に(プラカップのせいか?)カプロン酸的な香りが例年以上に、派手にプンプンという感じでもないのですが、すこし甘めなお酒が多いように感じました。


トリプルスタンダードというような言葉は、無いのかもしれませんが(笑)、テイスティングをする際には、器による違いを考慮して、
”蛇の目猪口”、”ワイングラス”、そして ”プラカップ” でも、きき分けができるように、練習する必要があるのでしょうか…?

これはなかなか難しいなあ!!

新型コロナが早く終息して、何の制限もなく以前のように試飲ができる環境に戻れますように。


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酒類総研 準備~
準備から分析まで
審査、報告
審査から報告まで



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