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海にて「これ自己啓発本でやったところだ!」

10日ほど前にボディボードをはじめた。
それまではサーフボードとの区別もついてなかったのだが、サーフィンよりは簡単そうに見えたのと、せっかく海の近くに住んでるし夏だし暇だし、辻堂のブックオフで1,320円の中古ボディボードが手に入ったので。
(ちなみに辻堂のブックオフはサーフボードやスケートボードもたくさん売ってます)

初回はほとんど波に揺られてるだけだったが、徐々にコツをつかんで波に乗れるようになってきた。日によって波の具合に変化があり、楽しめるかはそれ次第であることもわかってきた。

今のところ私が一番面白く感じているのは「波を読む」ことだ。
遠くで大きく育ちつつある波をみて、あ、これはいいタイミングで私のところに来る、乗れるな、と思って構える。ここのアドレナリン放出が一番楽しい。なんなら波に乗って滑っている最中の爽快感より上。祭で一番楽しいのは準備、みたいな感じだろうか。
ちなみに波は思ったより早く砕けてしまったり、引く潮とぶつかって小さくなってしまったり、アテが外れて乗れないこともたくさんある。
そのギャンブル性も楽しい。

それに、外したとて波はどんどんくる。いい波に乗り損ねても、次がまだまだあるから惜しくない。この豊かさが、ありがたい。

なんか人生もね、波があって当たり前だよね、という気分になってくる。いい波に乗れるまで待ってればいいし、波はいっぱいくるよ。いい波を捕まえてる人を羨んでる間に、こっちに来るいい波見逃しちゃうかもしれないから自分に集中したほうがいいよ、とか。

そういうことが書いてある本はたくさんあるけど、そして何冊も読んでも全然響かなかったのに、自然の、体験の力はすごい。「そう考えてみよう」とかじゃなくて「そう」なのをまざまざと見せつけ、ごりごりにわからせてくる。

加えて、いそしむ間の景観も素晴らしくよい。私の出る海は左手に江ノ島、右手に富士山が見える。暑い時間をさけて18時頃から1時間ほど海にいるので、夕焼けでピンク色や紫色に染まっていく空と雲が見られる。
地球、こんなきれいな景色を毎日ひっそり出したり引っ込めたりしてたんかい。
富士山も、毎日違う風に雲をまとってめかしている。
こんなにじっくり空を見ることも、日常生活ではなかなかない。思い出せる空ってなんだか旅先のものばかりだ。旅先では空も良く見えちゃうし、覚えていようとする意識も強く働くのだろう。

旅行観光つってあっちこっち出かけてばっかで、すぐ近くの良いものを見逃していたな。ってかこれも「あれが欲しいこれが欲しいじゃなく、持ってるものに目を向けよう」ていう啓発本でよく見るやつじゃんね。すごいや海、自己啓発本の答え合わせだらけ。

まあそんな感じで、この夏くらいは海とボディボードが熱そうです。いつかサーファーに進化できたらいいなー。

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