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映画『オールド・ジョイ』「悲しみは昔味わった喜び」の意味

オールド・ジョイ(2006年製作の映画) Old Joy
上映日:2021年07月17日
製作国:アメリカ
上映時間:73分
監督 ケリー・ライカート
脚本 ケリー・ライカート  ジョナサン・レイモンド
出演者 ダニエル・ロンドン  ウィル・オールダム



『ファースト・カウ』が素晴らしかったので同監督の2006年の『オールド・ジョイ』。




製作にケイト・ブランシェット主演『キャロル』の監督をしたトッド・ヘインズもいますね。


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だいぶ低予算感の強いロードムービー。
登場人物はほぼ2人。
2人とも30代半ば?


数年ぶりに会う旧友のマークとカート。
一泊二日の車での温泉旅行に出る。


マークの妻は妊娠中。
マークは妻に「旧友から旅行にさそわれた。君が嫌なら行かない。嫌なら行って全然行かないから」と言う。


↑これめちゃ腹立ちますよね。。


「君が嫌なら行かない」って。。
嫌だから行くなって言えるわけないじゃんね。
そもそも行こうとしてる段階でちょっと腹立ってるわけだし
「嫌だって言われたから行かなかった」という事実が生まれることが死ぬほどイヤ。
だから勝手に行けよ、と。


マークが大人になろうと頑張ってる姿だとは思うけど、まぁまだまだだよね。


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タイトルは「old joy」。




劇中に「悲しみは昔味わった喜び」という謎の言葉がある。


「昔味わった喜び」ってなんじゃいと思って調べてみたら
日本語にも旧歓という言葉が。


きゅう‐かん〔キウクワン〕
昔味わったよろこび。
とのこと。


そこはかとない寂しさは感じますね。
昔はあったけど今はない、というニュアンスを感じる。


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で、この映画。


昔仲良かった男子2人が数年振りに会ったら
片方は社会に適応しようとしてる段階で
片方はまだまだ社会からはみ出た生き方に憧れてて
2人の間には深い溝ができていた…という話。


まだ感想書けていない空音監督の映画『HAPPYEND』が似ている構図(真逆とも言える)だと思いました。


社会に反抗していたこたで繋がっていた2人が離れていくのがこの映画。


片方が政治的な活動にのめり込むことで2人に溝ができるのが『HAPPYEND』ですかね。




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ラストネタバレは以下に。








念願の温泉にたどり着いたけれどもはや会話のないふたり。

なんにも話すことがない。

そこでカートが動く。

2人とも温泉に入った状態でカートがマークの肩を揉む。

ギョッとするマーク。

しかし身を委ねる。

言葉ではなく イデオロギーでもなく

ただ友愛の気持ちを持っている人間同士の労わり。

そして車に乗って帰路。

家に着き、別れ。

おわり

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