私たちどこまで行けばいい?好きなとこまで行けばいい 映画『滝を見にいく』ラストネタバレあり
滝を見にいく(2014年製作の映画)
上映日:2014年11月15日製作国:日本上映時間:88分
監督 沖田修一
脚本 沖田修一
出演者 根岸遙子 安澤千草 荻野百合子 桐原三枝 川田久美子 徳納敬子 渡辺道子 黒田大輔
「私たちどこまで行けばいい?」「好きなとこまで行けばいい」
山の中で焚き火でキノコを焼いて食べてるとこで
甘食も木の枝に刺して焼いて食べ始めるの面白い。。。
「あったかい方がいいわよね〜」って。しかも本人がじゃなくてそれを見てる人が言うのとか面白い。なんでこんな脚本書けんの???
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〝おばちゃんあるある〟に陥っていないのがいいですね。
あるあるを並べたり
おばちゃん性を誇張したりすると、おそらくそれはコントになってしまうかと。
ちゃんと映画になっているのは
わりとドライでクールな人物描写だからだと思います。
この企画自体が面白いけど、作り手によっては嘘くさく押し付けがましいものになってしまう可能性があったかと思います。
この企画をいろんな監督で撮ってみて欲しいですけど
僕はこの沖田修一バージョンが一番好きでしょうね。
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ネタバレになるかもなことは以下に
ラスト「わたしたち一周しちゃった」っつって元の場所に戻ってきて
あとは下っていけば帰れるという状況。
そこで根岸さん「わたし、みんなと滝を見に行きたい」
泣ける。。
で、山をまた登ってみんなで滝を見にいく。
その滝のちょっとしょぼいとこもいい。。
これかぁ、、って感じがいい。
そしてみんなそれぞれ好き勝手なことする。
歌ったりタバコ吸ったり太極拳やったり写真撮ったり。
それぞれが自立した人間。
私たち友達だよねー感とかいらない。
そんなのなくてもこの7人は繋がってるし、
なんなら繋がっていなくてもいい。
農家のトラクター(?)の荷台に乗せてもらってやっとほんとに帰れるけど、
あのシーンちょっと寂しかったですね。
あぁ冒険は終わっちゃったんだな、と。
現実世界にただただ帰るだけなんだな。
さすがにバスの運転手さんが通報してるはずなので、捜索はされていたり、家族にも連絡がいってるはず。
家族や友人は心配してくれてることでしょう。
すごく心配して、当たり前になっていた自分の存在を改めて大切なものだと思い直してくれたかもしれない。
だけど、なんかそういうのもうっとおしい。。
めんどくさい。。
山の中でそんなに仲良くもない人たちと過ごした1泊2日のなんと清々しかったことよ。。
でももう終わっちゃう。寂しいシーン。
でも一応映画は山の中のシーンで終わってくれましたね。
街に戻ったシーンをラストにしても良かったけど、そうしなかった。
それは残酷。
駅前の、誰もこの7人が遭難してたことなんて知らない人達が行き交ってるシーンで終わられたら残酷。
「お母さんっ!心配したんだからぁ!」みたいな感じで待ってた家族が駆け寄ってくるシーンなんかやられた日にゃ、
うっとおしい。。
この7人の邪魔をしないでくれ!と思っちゃってたかも。
まだギリ山にいるシーンで終わってくれてよかった。
もしかしたらあのトラクターを飛び降りて山に走って戻るかもしんないもんね。
アイツらならやりかねないよね。