第96回アカデミー賞【短編実写映画賞】候補 短編映画『彼方に』
監督のミサン・ハリマンは、、Black Lives Matter運動で最も広く知られている存在の写真家であり社会活動家とのこと。
今作が監督デビュー作。
きっと今後映画をいくつも撮るだろうし、名作も多いのではと思わせる今作の出来だと思いました。
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第96回アカデミー賞【短編実写映画賞】候補作。
ちょっと(いや、かなり…)説明的な表現が多かったなぁ。。
18分の短編だからわかりやすく伝えないとと思ったのかな。
好みの問題かもしれないけど、もっと削ぎ落としてもよかったかな。
もっと淡々と、何も起きてないかのように進んで欲しかったな。
冒頭と終盤で大きな出来事が起きるのでその二つだけでも。
何年か前に観たけど感想を書けずにいる名作短編『愛してるって言っておくね』に近い衝撃。。
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ただ、主演のデヴィッド・オイェロウォの魅力で惹きつけられながら観れました。
もう47歳なんですね。
十分活躍はされてますけど、もっともっとスターになってもいいはずなのに、なんか不思議。
ラストネタバレは以下に。
タクシー運転手となった彼。
ある夫婦とその娘を乗せる。
亡くした妻と娘に似ている。
不機嫌な夫ももしかしたらあの分岐点の先のもう1人の自分かもしれない。
夫婦は後部座席で永遠に不毛な夫婦喧嘩を続けている。
その娘はここにいないかのような表情でそれに耐えている。
家に着いて夫婦は降りるがまだ喧嘩を続けている。
娘はタクシーから降りない。
彼が降りるように促すと 素直に降り、娘は彼を背後から抱きしめる。
彼は泣き崩れ路傍に倒れる。
不審に思った夫婦とその娘は彼を置いて家の中に入る。
彼は泣き止み起き上がり運転席に戻り車を走らせる。
終わり。
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ラストの少女からのバックハグは、亡くなった自分の娘(と妻)によるものでしょうね。
少女の体を借りて父(夫)を抱きしめたのでしょうか。