邦画病を避けた?ミディアムサイズの佳作『AWAKE』
上映日:2020年12月25日製作国:日本上映時間:119分
ジャンル:青春 監督 山田篤宏 脚本 山田篤宏 出演者 吉沢亮若葉竜也落合モトキ寛 一 郎馬場ふみか川島潤哉永岡佑森矢カンナ(森カンナ)中村まこと
面白いっ!でも地味っ!
しかし面白いっ!
さりとて地味っ!
トータルで面白い。
「邦画病」を避けているのでしょうか
邦画でありがちなくどい音楽もないし
「恋愛要素入れとけ!」みたいなとってつけたような恋愛パートもないし
叫びまくる感情表現セリフもないし
ラストもくどくどと長くない。
ありがちな若者たちの居酒屋での喧嘩も、あるんだけど……ササっと切り上げる。
意識して「邦画病」を避けているのでしょうか。
脚本監督の山田篤宏監督、懸命ですし、希望の星です。
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いくらでもポップ路線、ヒット路線、つまりはよくある邦画路線に持っていくことはできただろうに
意思を持ってそこから一線を隠した脚本と演出になってますね。
とても好感が持てます。
新しい日本映画の波を感じますよ。
極貧邦画インディーズ映画のザラザラした感じともまた違う、
中規模中ヒットくらいの佳作路線。
日本映画界にはあまりないライン。
このラインが増えると映画文化は豊かになるよね!
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テネットの「考えるな。感じろ。」並みに難しい。
っていうかわからない。。
僕は将棋もわかんないしパソコン関係もわからない。。
吉沢亮がずっと何やってたのかわかんなかった。。
製作者側もそれを細かく伝えようとはしなかったですね。
懸命な判断だったと思います。
ちゃんと感じることができましたから。
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まず話自体が面白いですよね。
難しいことがわからなくても話の面白さはわかる。
AI対プロ棋士の戦いも「勝負」なのか「将棋〝道〟」なのかのせめぎ合いもハラハラしましたよ。
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俳優全員いい。演技素晴らしい。
若葉竜也のダークヒーロー感、いいですし。
吉沢亮もラストの表情めちゃ良かったです。
落合モトキも1人でポップ要素を担っていて大変そうでしたけど面白かったです。
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特筆すべきは川島潤哉!
メンターおじ(い?)ちゃん役の人。
本物のプロ棋士なのかな?っていうくらいの雰囲気なんだけど
台詞回しとか表情とかがどう考えても高次元の俳優レベル。
どういう人なんだと思って映画見終わってすぐ調べました。
川島潤哉という方なんですね。
自作自演の一人演劇をされているような方。
孤高の方なのでしょうか。
確かにこの映画でもそんな雰囲気出てましたね。
かと言って触るもの皆傷つけるような雑な人でもなく。
よくありがたちなメンターおじ(い?)ちゃん役になりそうなんだけど
ちゃんとこの人の人生も見えてくるという。。
釘付けになりました。