ハチャトゥリアン伝記映画『剣の舞 我が心の旋律』ちょっとしたネタバレあり
冒頭滑り出しは良かった
映像も面白くて気合いも入っていて、
銃後(戦場の後方。直接戦闘に加わらない一般国民。)のひりひりとした生活が
押し付けがましくなく
ちゃんと映像で描かれていて
「お、いいじゃん」と思いました。
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撮影時に起きたアルメニアでの革命
撮影をした2018年の11月に、アルメニアで革命が起きたとのこと。
政治革命を求めて大規模なデモが数日続いて長期政権の交代が実現した、と。
撮影していた劇場がまるっとデモ隊に囲まれて、5日間外に出られないという状況で撮影した、と。
デモの声が入っちゃうから音も全部アフレコした、と。
ま、大変な撮影だったわけですね。。
それが理由なのかな。。
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ビロード革命
ちなみにこの革命のことを調べていたら「ビロード革命」という言葉が出てきて
てっきりこの革命を表す固有名詞なのかと思ったら、否。
大きな流血に至る事態は起きない革命のことを、軽く柔らかなビロード(ベルベット)の生地にたとえてビロード革命と呼ぶようですね。
もともとは1989年のチェコスロバキアの民主化革命のことを指したそうです。
なんか、、、、こっちの話の方が面白そうで。。。
『ダークブルー』
『コーリャ 愛のプラハ 』
『ベアフット』
あたりがこの1989年のビロード革命を描いた映画だそうです。
『コーリャ 愛のプラハ 』は大昔に観たはずだけど、、まっったく覚えてない。。
見返さないとなぁ。。
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おっと、剣の舞の話を。
ディティールはいいんですよ、
キャラもいいし
兵役を免れたいサックス奏者や
それを利用する偉いさんもいい。
とくにこの偉いさん(文化庁のプシュコフ)はものすごくよかったですね。
俳優さんが素晴らしいと思う。
極悪人なのに小役人感もあって嫌いになれない。
壁に両手をついて話しながら人を操作する
シーンとか面白かったなぁ。
あのあとめっちゃ殴られるんだけど。
ちょっとしたネタバレは以下に。
盛り上がりのポイントが定まってなかったのかなぁ。。。
剣の舞を8時間(11時間という説も)で書き上げた、というのが、まぁ山場なはずなんだけど、結構サラリと過ぎちゃう。。
剣の舞の演舞のシーンもあっさり。。
てか、曲がフェードアウトして、戦争の音声(銃撃や爆撃と音)がかぶさってきちゃう。
観客には数時間後には戦地に立つ兵士達がいるわけだから
それを意味することはもちろんわかりますし、
意義深い演出だとは思いますけど、、、
見せてよーー!剣の舞をーーー!
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で、ラストは唐突に新聞の映像でしょ。。。
なんかゴツい顔のハチャトゥリアンご本人の顔がバーンと出てきてさぁ。。
しかも結局はレーニン賞を受賞しましたっ!すごいでしょ!って誇らしげに伝えられても。。
体制と闘ってたんじゃないの、、ハチャは。。
この辺のこと詳しく知らないから迂闊なこと書けませんけど、、、なんか誰を何を称えたい映画なのかわかんないんですよね。。