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日本企業から外資系に転職してびっくりしたこと

ぼくは大学を休学しているときにベトナムのソフトウェア企業でインターンをしたことがきっかけでベンチャー・スタートアップの世界に魅せられた。大学を卒業した後には当時イケイケのベンチャー企業だったフリービットという会社に入り(今では立派な東証一部上場企業)その後アマゾンジャパンという外資系の会社へと転職した。そんなこんなの細かい経緯については以下の記事に譲るとしよう。

今回の記事ではぼくが日本の会社から外資系に移った時に驚いたことをざっくばらんに書いてみようと思う。ぼくはベンチャーから転職したのでいわゆるクラシックな日本企業からの転職ではないけれど、それでも「なんじゃこれ???」と思うようなことがたくさんあった。そんなことについて書いてみたい。

アピールすごい

まず社員の振る舞いが違いすぎてビビった。単刀直入に言ってみんなアピールがすごいのだ。

会議でみんなの前で高々と胸を張りハキハキとそれっぽいことを言う人がたくさんいるのだ。職位に関係なく全員がみんなの前ではっきりと自分の意見を口にしたり質問したりするのが得意なのだ。例えば20人いる会議だったらその20人を前にしてキレキレの男性社員が堂々と喋り、その間他の人はじっくり話を聞いている。そしてその後その隣にいたバキバキの女性社員が(なぜか?)さっと立ち上がってまるで敏腕弁護士のような身振り手振りで反論する。それを周りはじっくり聞いている。

最初こういう景色を見た時には芝居かなにかを観ているのかと錯覚した。まるでその場にいる全員に役とセリフが渡されているかのような振る舞いなのだ(笑)。

外資系の会社では自分から積極的にアピールしていくことが必要」というのは昔から耳にタコができるほど聞いてきたことだ。でもオフィスにいる間のすべての発言がプレゼンテーションのようにになっている様を見て本当にそうなんだなと強く実感したことを覚えている。

アマゾンジャパンをはじめとするアメリカの会社は360度評価を採用しているところも多いから自分の発言がそのまま自身の評価に繋がる。だからアピールすることは当然だしそうすべきなのだ。

ただこれまで日本企業にいてほとんど誰も発言しないミーティングとかに慣れている人がいるとしたら外資系に入ったらこういうところでさぞ驚くんだろうなと察する。普通の人間はそんな10-20人とか大勢の前ではっきりと自分の意見を大声で述べることに長けているわけではないと思うから、自分のアウトプットの出し方に大きなテコ入れが必要になるだろう。それをやっているうちに人格が変わり「外資系の人」になってしまうことはよくある。というかぼくもそういう過程を経て完全に「外資系の人」になってしまったという自覚がある。あんなに違和感を感じていたアピールがましい人に自分自身も気付かぬうちになっていたということだ。

意外とみんな英語しゃべれない

アマゾンジャパンとかそういうアメリカ系の会社に入ったら外人がたくさんいる、もしくは英語が堪能な日本人がたくさんいるのだろうと思っていた。見てくれは完全に日本人なんだけど「こんにちは」じゃなくて「Hi! How are you?」とか挨拶してくる人も普通にいるんだろうなと思っていた。ぼくは英語に自信がなかったから「会社に入った後やっていけるだろうか?」と入社前に相当ナーバスになっていたことを思い出す。

でも入ってみて驚いた。想像していたよりも圧倒的に英語が話せる人が少ない。もちろんチーム次第でいる人材が違うわけなので一概には言えないけれど、大半はカタコト英語をかろうじて喋れる人ばかりだった。

アマゾンジャパンの商品カテゴリーのチーム(例えば本とか食料品とか)は営業的機能がその主たる部分なのではっきり言って英語はそこまで必要ない。その結果としてコテコテの日本企業から転職してくる人も多く、商談の場でゴマをすりすりした後(もしくはハードネゴシエーションをかました後)、遅くまで仕事した後に目黒の居酒屋に繰り出して一杯ひっかけるという姿は珍しくなかった。いる人もやっていることも超ドメスティックなのだ。

今は幾分変わってきている部分も多いだろう(ぼくがいたのは2016-2022年)。とはいえ根本的な部分は変わらないんじゃないかなと思う。そしてこれは完全に想像だけど「〜ジャパン」的な外資系企業も結構同じような風景が至る所で見れたりするのではなかろうか。英語が得意な人は当然いると思うけれど、大多数がそうであるとは限らないという話だ。

もし英語が心配で外資系への転職を躊躇しているとしたらそれはそこまで心配しなくてもいいのでは?と言いたい。なぜなら外資系企業でも英語を使わなくてもいい職種は普通にあるからだ。

昇進のことばっか考えてるやつがいる

多くの人は偉くなりたいしお金も欲しいわけだ。だから一生懸命仕事を頑張ってプロモーション(昇進)を目指すことは真っ当な行為だと思う。

それでも最初に外資系の会社に来た時には、その貪欲さに少々辟易してしまったことがあった。若い人もそうじゃない人も「とにかく昇進したい」と思っている人がたくさんいて、そのために上述のアピール合戦がヒートアップする様をよく目にした。正直大した成果でもないよなということでも、なんとか目立って評価を得たいがために声高にみんなの前で発言する人なんかを見るとぼくはいたたまれない気持ちになった。

もちろんぼくだって昇進がしたくて仕事を頑張った時期はぜんぜんある。そこは認める。でも最初にやりたいことありきだよなと思う。「今度のプライムデーでこういう商品を出したい」とか、「ブラックフライデーでこういう新しい企画をやりたい」とか。ただアマゾンジャパン時代に感じたこととして、昇進のこととかお金のこととかを職場や飲み会でやたらと話す人が多くてちょっとやだなと思うことは一度や二度ではなかった。

ぼくがフリービットというベンチャーにいた時には夜遅くまでオフィスに残って「どんなプロダクトを作りたいか?」とか「将来テクノロジーの分野でどんな仕事をしていきたいか?」といった熱い話を新卒の同期とよくしていた。みんな将来的に起業したりイケイケなスタートアップで働いたりすることを志向していた。ベンチャーだから頂戴する給料とかも決して高いわけではなかったけれど、それでも常に夢と希望があった。そんな楽しくてワクワクする話をハングリーな同期と出来たことは今でも宝だなと思う。

翻ってアマゾンジャパンで自分のチームを持っていた時に、新卒の部下の子が「周りの同期がどんどん昇進してる。ぼくもあげてほしい。」と涙ながらに訴えてきたときにはなんとも言えない気持ちになった。そういう心境に至ることも十分に理解できるけれど「そもそも何で仕事してるんだっけ?」って重要な問いなんじゃないかと自分自身にも問いた。周りとの競争に勝つことも避けては通れないけれど、自分がなにをしたいかを理解していることは何にも増して大事だと思う。

外資系の会社は実力さえあればどんどん上のポジションにあがれるところが魅力だろう。でもあんまりその競争に不用意に乗っかってしまうとあんまりハッピーな結果にはならないんじゃないかと思ったりもする。

外資系で働かれている方、皆さんの職場ではどうでしょうか?ぜひコメントなどで教えてください〜。


生で観るとなかなかの迫力

今日はそんなところですね。ここまで読んでくださりありがとうございました。少しでも気に入っていただけたらスキしていただけると嬉しいです。

シアトルのベインブリッジという場所で見た巨大トロール。このトロールという巨大な人形?がシアトルのいろんな場所に設置されているみたいです。おもしろいですね。

それではどうも。お疲れたまねぎでした!


おまけ

前回の記事で「日本企業から外資系に転職するときに押さえるべきポイント」ということについてまとめました。ご興味あればぜひこちらもご参考にしていただければと思います!有料記事ですがX (旧Twitter)でリポストしていただけると無料 (タダ) で読めるので拡散いただければ嬉しい限りです。よろしくお願いします!

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福原たまねぎ
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