ベガルタ仙台vsジュビロ磐田~磐田の配置を考える~
Twitterのタイムラインを見ていると面白い事が書いてあった。
試合をみていくと、うん、確かに分からない。
分からないというか、断言できない。
なので、今回はジュビロ磐田のセットディフェンス及び狙いを推測する。
1.スターティングイレブン
引用:Google
石原先生の次に偉大だと名高いGoogle先生曰く、ジュビロ磐田は1-3-5-2らしい。
(アルゴリズム大好きなGoogleはどうやってこの配置図を作成しているのだろうか。誰か知っていたら教えてほしい。)
2.セットディフェンスは1-5-4-1
ジュビロ磐田のセットディフェンスは1-5-4-1と推測する。
①1トップのルキアンは4人のBOXビルドアップに対して数的不利を許容している。ルキアンでボールを奪う設計ではない。
②SH(特に山田)はCBへプレッシャーをかける。この時の狙いはサイドへの誘導である。
③DHはDHに対して強くプレッシャーをかけるが2人同時に行く事はほとんどない。疑似カウンターにならない為の設計だろう。
④SH-DH間はハーフスペースに立ち位置をとる仙台SHに縦パスが通らないように狭くする。
⑤仙台SBへ出たボールに対してWBが前進する。この時、逆サイドのWBは中央へ絞る。
⑥4vs4になる事は許容する。
ジュビロ磐田はアタッキングサードからもプレッシャーをかけるスタイルだった。
想定外だったとすればSB-SH間でボールを捌く仙台DHだったり、WBがSBとの距離が遠すぎて間に合わなかったり、FWやSHが外に流れてきたりと規準が整う前に2失点してしまった事だろう。
そこは我らが渡邉監督の作り上げてきたチームや選手に対して素直に凄い!と言いたい。
ここまで問題のあった磐田のセットディフェンスだが、なぜ前プレスをしたかったのだろうか。
3.セットオフェンスは1-3-1-4-2
磐田のセットオフェンスは1-3-1-4-2に見えた。
1-5-4-1⇔1-3-1-4-2への可変はあまり多くはない。ボール保持中に、原理原則にしたがった結果、この配置になる事はあったとしても初めから可変するのは珍しい。1-5-4-1からの最もポピュラーな可変は1-3-4-3だろう。
このセットオフェンスのメリットは、DHに対して誰がみるの問題や、CBにプレッシャーをかけていいの問題。大外捨てていいの問題等々、我々仙台が1-4-4-2を倒す為に散々やってきているので割愛する。
磐田はこの形でボールを握りたかった。しかし1-5-3-2では守れる想定ではなかった。
なのでSHが前進してスイッチを入れた後にWBがSBからボールを奪う=1-3-1-4-2に可変済みの状態でボールを奪う為に設計した前プレスだったのだろう。
SHが前進した後に、すぐに戻らず、若干FWの位置でバックパスラインにいた事からの推測だ。
4.飲水タイムでの修正
これまたTwitterのタイムラインで見かけた面白い説。飲水タイムでの戦術修正。事実、磐田は飲水タイムで修正があった。
面白いのは負けているにも関わらず、守備面を修正した事だ。
良い攻撃は良い守備から、良い守備は良い攻撃から。
当たり前だけど大事な考えだ。
①SHはCBへはプレッシャーをかけず、SBにボールが出てからプレッシャーをかける。
②SH-DH間は狭くし、ハーフスペースに立ち位置をとる仙台SHに縦パスが入らないようにする。
③外に流れるSHやFWに対してWBが縦面の蓋をする。
大きいポイントは①のSHのスイッチを入れる場所の変更だろう。
修正前はWBが縦スライドに間に合わず、空いたスペースを使われるというケースが多かった。
修正後はSHがSBにプレッシャーをかけ、WBがあらかじめスペースを埋めておく事でより密度の高い守備を形成。
ボールを奪った後に可変をする必要性があるものの、まずはボールを奪う。そして奪った後は配置の優位性を生かしながらしっかり可変。ボールを繋ぐといったコンセプトに変更した。
飲水タイムは1分という短い時間ながら、試合に及ぼす影響力は大きい。
ゲームプランを考える上で、序盤は嘘の戦い方をするチームもあるので、そういった駆け引きも夏のゲームでは注目ポイントだ。
5.ボールを握った後の磐田
修正後、ボールを保持する時間が長くなった磐田だが、可変盛り沢山でロマンあるチームだった。ネガティブトランジションに関しては知らない。
①DHが降りる事で仙台FWの守備規準を破壊する。
②CBがSB化する事で仙台SHの守備規準を破壊する。
③空いたFW-MF間にDHやSHが降りて仙台DHを釣り出す。
④WBやSHがハーフスペースに立ち位置をとり、仙台守備陣の規準を破壊する。
そりゃあサイド攻略できるよなあと思う良い配置だった。
あとは逆大外が使える設計にするとか、ネガティブトランジションをしっかりするだとかは必要だとしても面白かった。
仙台に関しては、オープンな展開に付き合ってしまう傾向がある(特に前後半の開始直後)ので、仙台対策としてあえてオープンにしたと言えば聞こえは良いが、恐らくそんなことはない。
例えば鹿島だとか東京だとか、そういったカウンターからの形を確実に持っているチームに対してはあまりにも分が悪い戦い方だと思った。
今後ファビオ獲得の噂があるようだが、ボール保持を諦めるという意思表示なのかどうかは分からない。
個で守備が変わるというのは仙台で言えばシマオで実証済みなので、磐田の今後の戦い方がどうなるのかは注目だ。
願わくばロマンを持ち続けてほしい。きっと名波さんもそれを望んているだろうから―。
6.おわり
久しぶりにnoteを書こうと思ったが時間が圧倒的に足りなかった。
下書き時点では飲水タイム前で5,000文字になっており、絶望。最近は書ききれずお蔵入りが多い。
なので今回は仙台の狙いについては戦術藩が書いてくれるだろうから、磐田の狙いについて触りの部分だけでもアウトプットしたいと考え記事を書いた。
最近はアナリシス・アイであったり、ポジショナルプレーのすべてだったり、ボリスタだったり、面白い本がたくさん出ていてインプットは容易にできる。
何とかアウトプットの頻度を増やして、トレンドについていけるよう日晋月歩で楽しもうと思う。
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