【選手権】尚志vs神村学園【マッチレポ】
fukuharaです。
新年あけましておめでとうございます。
全国高校サッカー選手権1回戦、尚志(福島) vs神村学園(鹿児島)のマッチレポです。
僕は高校サッカーは普段見ないので、選手の特徴とかは全く知りません。
ですが今大会は日テレオンデマンドでフルマッチを見逃し配信できるので見てみようと思います。
正直かなり面白かったです。
彼らが高校卒業後もサッカーに何かしらの形で繋がっていってくれると良いですね。
スターティングイレブン
尚志
1-4-4-2
#1 森本涼太
#2 石川竣祐 #4 フォファナマリック #5 沼田皇海 #20 黒澤誓哉
#6 坂下健将 #8 菅井泰祥 #15 大川健 #17 吉田泰授
#7 二瓶由嵩 #9 染野唯月
神村学園
1-4-2-3-1
#1 坂ノ下陸 #3 隈元聖也 #5 島田龍也 #8 軸丸広大 #13 大森大司
#2 内村倫 #6 山野卓人 #12 濱屋悠哉 #14 深港壮一郎 #7 和田駿斗
#9 新田龍生
実況・解説者曰く両軍ともに攻撃的なサッカーらしいです。
何が攻撃的なサッカーかは分かりませんがボール保持がしたい、と勝手に解釈して見ていきます。
尚志のビルドアップ妨害
攻撃的なサッカーが特徴というのを紹介したばかりですが、尚志のビルドアップ妨害から見ていきます。
というのもこの試合の面白い部分は両軍のビルドアップ妨害とその攻略法にあると思ったからです。
神村学園はディフェンディングサードでのビルドアップ時に立ち位置を変化させるようなチームではありません。
わりとフラットな4バックのまま1-4-2-3-1で前進を狙います。
尚志は1-4-4-2なので最終ラインで噛み合わせにズレが生まれ、4vs2の数的不利になります。
そこで尚志はSHのプレーヤーをDF同士の横パスをスイッチに前進.、1-4-3-3に変化させてプレスをかけます。
普段が攻撃的なサッカー=ボール保持を目指しているのだとしたらここでクリーンにボール保持ができず、前線へのロングフィードばかりになってしまった事は神村学園にとってはかなり痛かったと思います。
神村学園の対応
前半に2回ほどあったビルドアップに対する対応です。
監督の指示か、選手個人の判断かは分かりませんがとても良かったと思います。
DHのプレーヤーが中盤の選手がついてこれないCB-SB間に降りてボールを受けることで局所的に3vs2の有的有利を生み出します。
守備側からするとどの選手を優先して守るかの基準が壊れたので時間の優位も生み出すことが可能になっていました。
このエリアで時間ができたことにより最初のレイヤーから第3のレイヤーまでスキップパスを通すことができます。
この1本のスキップパスで尚志のプレーヤーは6人が一気に置き去りとなり、神村学園は加速の局面を迎える事が出来ていました。
あくまで僕の予想ですがこの一連の流れは選手の閃きによるものだと思います。
というのも2度もここから前進できたにも関わらず後半は全く見られなかったからです。
攻略の糸口が見えかけていただけに非常に惜しいと思いました。
神村学園のビルドアップ妨害
神村学園も4バックに対して前から捕まえにいく妨害を見せます。
CF、OMF、SHの3人でフラットというよりかは斜めのラインでプレッシャーにいきます。この時に逆サイドのSHは絞ります。
尚志との違いはディフェンスラインの高さです。
神村学園が設定していたボール奪取のエリアは恐らくSBからSHにボールが出てからです。
ここにSB、DH、CBが素早く寄せる為にハイラインを強いていたと思います。
実際にSBからSHへグラウンダーのパスが通った際は神村学園の妨害は成功しており、そこからショートカウンターへ持ち込む事ができていました。
尚志のロングフィード
しかし尚志はあまり短いパスのビルドアップに拘っていません。
SHが降りる動きでSBを釣り出して生まれたスペースへFWが流れ、そこへロングフィードを蹴りこみます。
ここで大切なのは、このロングフィードが通っても通らなくても問題ないという事です。
というのも神村学園は尚志のプレスを回避する事ができてない、加えて単純なロングフィードでは空中戦には勝てていないからです。
このロングフィードの一番の目的は奪われたとしても、神村学園の攻撃をディフェンディングサードからスタートさせる事にあります。
このロングフィードが通ると流れるFWに対してCBが1枚必ずついていくので、エリア内は2枚になります。
恐らく約束事になっているのは、ボールと逆のサイドのSHが大外からエリア内に侵入する事。
これで一気に崩しの局面を迎えるようになっていました。
尚志の攻撃のリスク
後半に入っても、点が入ってからも両軍ともに大きな修正はありませんでしたが、時間が少なくなると展開が変わりました。
尚志は残り時間が少なくなっても2点目を取り試合を決めにいきました。
本当は後ろの選手は守り切りたいとか、そういった意識のズレはなかったと思います。
神村学園は残り時間が少なくなると第一優先のプレーを前線にボールを蹴る事になりました。
セオリー通りだと思いますし、ビルドアップの解決ができていなかったので良い判断だと思います。
この2つの思惑が重なることで試合は一気にオープンな展開になります。
というのもこの試合中、尚志は攻撃できていましたが、決してボールを保持する攻撃ではなく奪って即座に崩しの局面へ持ち込む攻撃だったからです。
相手を押し込み、自分たちの守備の形を整えるカウンター対策ができていませんでした。
試合終了間際の同点に繋がるカウンターでは、人数は足りていたもののフィルターになり切れず、厳しい判定とはいえファウルをとられてしまいました。
今後トーナメントはかなり過密日程になります。
あまり褒められた日程ではないですね。
試合中に足を攣っていたプレーヤーもいたので常に速攻という攻撃は厳しいでしょう。
アタッキングサードに侵入したら相手を押し込んでボールを保持し、リスク管理ができないと尚志は厳しい戦いになりそうな印象を受けました。
まとめ
高校サッカーはロングフィードが多いという話を以前から見かけていましたが、そのロングフィードにも意図があるのを感じれた1戦でした。
神村学園は残念でしたね。
ビルドアップがクリアできれば、もっと違う展開があったんだと思います。
あまり崩しの局面へ運べず苦しい試合だったのではないでしょうか。
守備の形、嵌め方はとても面白かったですね。
あまりJリーグでも見かけないような嵌め方じゃないでしょうか。
あくまで僕個人の考えですが上のカテゴリーであればあるほど、あの連動した守り方ができないとダメだと思っています。
尚志は今後もトーナメントが続くので、この試合がいつも通りの戦い方だったのか、それとも神村学園対策だったのかが分かります。
神村学園に対してはSHが作ったスペースへFWが流れる攻撃はとても良かったですね。
守備も1-4-4-2の綺麗な守り方で相手守備陣に時間を与えず良いプレーだったと思います。
今後が楽しみです。
最初にも書きましたがかなり面白かったです。
今後どんな進路を選ぶかは分かりませんが、もしサッカー見るのが好きになるなら縁ができると素敵ですね。
ナイスゲーム、お疲れさまでした。
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