ベガルタ仙台vs名古屋グランパス 感想文
1.スターティングイレブン
ルヴァンカップ浦和戦でフォワードとして出場した匠が左サイドハーフ。
名古屋との古巣対戦となる赤﨑がフォワード。
モンテディオ山形で木山監督とシーズンを戦った柳が左サイドバックという入れ換えになりました。
名古屋はルヴァンカップ鹿島戦と変わらないメンバーでスタートです。
図1
2.ボール非保持の修正
ルヴァンカップ浦和戦はフォワードの選手は相手ボール保持者にプレスをかけましょうという立ち振る舞いでしたが、それ以上の制限はなく、結果として無秩序な動きとなってしまいました。
1週間をかけて、木山監督が修正したのはフォワードの選手の規準点。
相手のディフェンシブハーフを背中で消せる位置からセットします。
図2
仙台の良い時間帯は、名古屋も変化をつけずにいてくれた前半のはじめ。
センターバックが仙台のフォワードを引き付けずにボールをサイドバックへパスを出したところがプレススイッチです。
2トップがしっかりとバックパスの選手を消し、ボールサイドに閉じ込めてボールを奪えていました。いい守備でしたね。
図3
3.名古屋のボール保持の変化
名古屋は仙台の規準を破壊する方法として、ディフェンシブハーフが列を降りる動きをはじめます。
ディフェンシブハーフはフォワードがみるという規準通り、仙台フォワード陣は2vs3の状態を作られ、ボールサイドで刈り取ろうとした配置をクリーンにリセットさせられました。
ただのU字攻撃といえばそれまでですが、仙台のスライドよりも名古屋のパススピードの方が上回っていたこともあり、ファーストラインをクリーンに超えられ始めます。
図4
余談ですが、こういったボール回しでセンターバックから直接サイドハーフへパスが通される場合は、柳はフルスプリントで潰しにかかります。
はじめからU字攻撃は許容。中央3レーンを塞ぎ、サイドに展開したらデュエルで取り切るというのが木山監督が求めるサイドバックの役割なのか、今後も注目ポイントです。
図5
4.撤退守備
仙台は押し込まれると相手サイドハーフに対して、サイドバックとプレスバックしたサイドハーフによる2vs1で守備を行っていました。
空いたセンターバック-サイドバック間はディフェンシブハーフが埋める役割です。
良い守備の場面では、縦の面を切るサイドバック、バックパスを切りながら圧縮するサイドハーフ、ギャップに面を作るディフェンシブハーフと嵌めることができていました。
逆に悪い守備の場面ではギャップに面がなく、ピッチを横断され、浮いた名古屋の選手にサイドチェンジやスルーパスを許しディフェンスラインが崩されていました。
図6
ルヴァンカップ浦和戦ではセンターバック-サイドバック間の処理を誰が行うのか定まっていなかった為、ディフェンシブハーフが2枚ともスペースを埋めに行き、中央が空いたシーンもありました。
一週間の修正で、役割が明確になり、狙い通り奪えた場面もあったのは、すごく良いことだと思います。
5.まとめ
一週間の間に、観て分かるレベルの多くのテコ入れがあったようです。
ディフェンス陣はフルメンバーですから、守備の完成度をあげることで自分たちの理想の形で攻撃がスタートできるようになっていくことが楽しみです。