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読書メモ・『ずるい 傾聴術~ 人間関係が好転して得する33のルール』 中村 淳彦著 2023年8月4日発行
傾聴についての本ですが、ずるい傾聴術の表紙の副々題に「相手の立場に立って共感しながら人を出し抜いてトクをする」となっています。
着眼が斜めでなかなか面白い本でした。
例えば自分の利益にならない相手は別にしなくていいよ っていう話があったりして。例えば 45歳以上のおじさんは相手にしなくていいみたいなことまで書いてありました。ありゃわたしは?
自分の話はしない、自己開示はダメっていう話も出てきました。自分の主観を入れちゃいけない、相手の話を共感して聞き出す。それに対して自分の思想だとか趣味嗜好 だとかっていうのも封印して 聞く。
あなたの好みは?あなたの好きな映画は何ですか? って相手に求められたら初めて自分のことを伝える。相手との一致を目的にするので、あなたの好き嫌いは入る余地はない。相手の話を聞く 傾聴をしているのに、自分の主観を強く 入れ込んでしまうと、そこで話は終わってしまう。
相手から自己開示があれば 主観は封印してすぐに傾聴のスイッチを入れ、傾聴モードに切り替える。話に共感 すればするほど相手の心は開いてくれるから、相手に対して前のめりになって最後のゴールまで聞く。
女性を前にして緊張してしまう人も、会話で女性を楽しませようっていうようなサービスはもとより不要。 「ねえねえ聞いて」と話しかけられていると思いましょう、だって。
特に出し抜くっていうわけでもないんだけれども、よく自己開示してしゃべることによって、相手は自分のことをどんな人だって分かってくれるから、そこから話が弾むよとかってよく聞くんだけれども、その逆。
相手はともかく話したがっているんだから 相手の話を聞いてあげることの方が一番サービスだ。サービス精神があるならば 自分の話は一切しない、面白い話も必要ない。
「いや、それよりも」「でも、こっちの方が」の否定や比較もだめ。余計なことは言っちゃいけない。黙ってじゃなくて、聞いてあげるでもなくて、オウム返しをするだとか 相槌だとかも有効。質問して会話を膨らませていく質問力も。質問力でどんどん話を膨らませて相手に話をさせる。自分の話はしないことによって、一生懸命 喋りたがってる人の気を引く みたいな。
自分のことを好きになってもらおう、そのためにはいっぱい聞いて相手の気持ちをよくさせようっていう、下心みたいなのを持つ。その方がかえってサービス精神いっぱいでやろうとしてる人を出し抜くようです。
アンガーマネジメントの「6秒待つ」も。聞き手が怒鳴ってしまったら元の子もない。 6秒待って、 一旦 その場を離れて 時間を置く。自分の怒りの沸点を超える前に自分の感情をコントロールする。
ボクシングの井上尚弥選手の前回の試合を思い起こして考えてみる。初のノックダウンをきした際に、彼はダウンと認定される10秒を冷静に有効活用した。ダメージを和らげるためにすぐに立ち上がらずに、8秒間レフェリーの方を向いて片膝ついて待ってから、堂々と立ち上がった。ちょっと違うがこんな感じ⁈見倣おう。