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読書アウトプット 『格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか』 – 2022/9/28 オデッド・ガロー著

この本はなぜ経済成長が生じたのか? と なぜ国家間の貧富の差が生じたのか? の2面から格差の起源を捕らえていました。

1.なぜ経済成長が生じたのか?
わたしたちにとって一番理解しやすいのは産業革命以降のこの200年のことですが、それ以前はどうだったのか?
技術の進歩とそれに伴う資源の増大は決まって人口の増加を招き、進歩の成果を次第に多くの人間が分け合う羽目となり、一時的に生活水準が上がってもそうした向上は長く続かず、人口の増加と相殺されてしまったというのです。
人口増加の相殺効果とのことです。
では産業革命以降はどうであったかというと、絶えず変化する技術環境に適用できる技能と知識が必要となり、そういう世界に子供たちを備えさせるためには親は養育や教育への投資を増やし、その結果出産数を抑えることを余儀なくされた。そして平均寿命の急増急上昇と子供の死亡率の低下によって、教育がもたらす利益の持続期間が伸び、人的資本への投資と出生率削減への意欲がさらに高まった。男女の賃金格差の縮小によって子供の養育費が増加し、これもまた子供の数を抑える動機になった。
これらの要因が合わさって人口転換の引き金となり、経済成長と出生率との根強い正の相関が断たれた。
出生率の著しい低下によって成長の過程は人口増加の相殺効果から解放され、技術の向上が繁栄を、つかの間ではなく永続的に進展させることが可能となった。

2.なぜ国家間の貧富の差が生じたのか?
地理的な特性と人口集団の多様性(今から何万年も前にアフリカ外へとホモサピエンスが移動する間に定まった)こそが、世界の格差の背後にある最も根深い要因としている。
アフリカ大陸から長い期間かけて集団が分裂・移動してきた。
その移動してきた一部の地域では成長を促すような地理的条件や多様性のおかげで、文化の特性や制度の特徴が環境に迅速に適応し、技術の進歩の加速に繋がった。別の地域では地理や多様性と文化や制度の相互作用のせいで社会がもっとゆっくりと歩んできた。
ここに現代世界に見られるような巨大な格差が生まれたしている。

3.ちょっと余談ですが、私が波及して感じたこと
カンボジアの有名な世界遺産アンコールワット・アンコールトム。
この遺跡は突然廃れた。600年も繁栄していたにも関わらず、廃れてジャングルの森の中に埋没してしばらくその存在は歴史上から抹殺されていたという世界不思議のうちの一つなんです。
がここで⁉ そうかやはり周りと違ってここだけが繁栄するということはなく、やはり繁栄していれば人の流入は激しくて、人口の流入増加が街の発展の成長速度を超えてしまったのかもしれません。あるいはその人口流入超過のうちに今回のコロナのような流行り病が発生して短期間のうちに住民が死亡したのかもしれませんね。そのうちに死の街として周辺からは避けられ、そのまま存在のない場所とされてしまったのかもと想像させられました。

(ご参考  【世界遺産】アンコール・ワット(アンコール王朝)はなぜ滅亡したのか?その謎に迫る!
https://tryxtrip.com/wh-cambodia-angkor-collapse-9070.html )


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