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地位財と非地位財について

今日は地位財と非地位財について話をしていこうと思います。


地位財とは、非地位財とは

地位財というのは、基本的には誰かと比較するもので、お金とか、所有物とか。役職とか、肩書きとか、外から測れる能力みたいなものも入ってくるかと思います。
で、非地位財というのは、誰かと比べるものではなくて、人との繋がりとか、充実感とか、健康とか幸せとか、そういうものですね。

医者になりたてのころ

当たり前といえば当たり前なんですが、治せる医者になりたかった、完璧な医者になりたかったんですよ。 でそれは、目の前の患者さんの役に立ちたいっていう要素ももちろんあったんですけど、振り返ってみると、能力のある医者でありたいとか、社会的地位を上げていきたいというか、いわゆるできる医者になりたいって思っていたんですよ。
で、それって僕の中で、誰かの役に立つことで自分の人生が充実するという感覚で仕事をしていたというより(もちろんそういう使命感や役に立つことでの喜びが、激務を乗り越える原動力にはなっていたんですけれど)、それ以上に「こうあらねばならぬ」みたいなものが僕の中にあって、優秀でなければ僕は価値がないっていうふうに思い込んでいたところがあります。僕の中で「優秀さの鎧を着ていた」っていうふうに思ってます。

医者3年目で

なんだか突然、自分自身にはあまり価値がなくて、自分が空っぽな人間に思えるっていうことが起きました。燃え尽きかかった、燃え尽きたみたいなところがあって、精神状態がよくなかったです。次男が生まれ、男性の産後うつみたいな要素もあったんじゃないかと今振り返って思います。
そうやって誰かと比べた、能力とか肩書きとかでしか自分が満たされていないとすると、それは自分自身ではなく、自分の周りにあるものなので、なんだか空っぽという感覚が生まれてくるんじゃないのかなと思うわけです。

非地位財を満たすことが大切

じゃあ、どうしたらいいの?というと、幸せとか健康とか、抽象度が高くてぼんやりしていて、なかなか実感しにくいのかもしれませんけど、誰かと比較する何かではなく、自分の内側、自分のやりたいことや、充実感、自分の気持ちにフォーカスしていくことがとても大事だよなと思います。
非地位財の中には、人間関係とか、繋がりというものも含まれます。大切な人を大切にする充実感というのもですね。

子育ての中で

子育てをしていて、自分自身が能力や肩書きや成績とかしか価値を見出せていない時というのは、やっぱり子供にもそういうものを得られるような人生にしなきゃいけないと思って、声かけとか態度とか、ほめるとポイントとか、どうしてもそういう方向になりやすいと思うんです。
親自身が空っぽではなく、自分自身を満たしていく感覚、地位財ではなくて非地位財を充実させていくということがとても大事だと思います。 一方で、ぼくだってまだまだ能力に頼る部分や、お金だって稼ぎたい気持ちとか、承認欲求みたいなものももちろんあるんですよ。 ただ、それが自分の中にあるということに気がついているだけでよくて、そこではない非地位財を満たすというのがとても大事です。

非地位財の満たし方

子どもの非地位財の満たし方は、いろいろな切り口があります。 例えば、子供がテストでいい点とってきた時に、結果に紐付けて「天才」とか「頭いいね」と高評価するのではなくて、「頑張った」「努力した」「前よりもできるようになった」と、プロセスや、その子自身の変化に注目して声をかけることです。 あまりにも僕たちは誰かと比較するっていうことをやりすぎているので、自然と評価する言葉を使ってしまいます。評価する解釈する、判断する言葉を使っちゃうんですよ。 言葉遣いそのものに気を付けるっていうのもそうだし、自分自身に対しても、誰かと比較しない、そういうことではない何かに声をかけていく必要がある。 「あの人と比べたら自分なんて、まだまだ」と、それを自分のモチベーションにするならまだいいんですけど、「自分なんて・・・」と落ち込むのはよくない。

僕はというと

こういうこと、本当は僕にはたくさん起こります。まだできていないだけなのに、すでにできている人と比べて、「ああ、自分なんて」って思ったりします。心理学やコーチングの勉強をしていたりすると、そのベテラン講師と比べたりするのです。医者の時も指導医と比べたり、その道の、テレビに出るぐらいのトップレベルの人と自分を比べて「自分なんて全然まだまだ出来てないな」って自分を責めてしまう事が起こります。 そうではなく、結果ではなく、そこに向かっているプロセスそのものを大事にする、自分自身も地位財、能力ではなく、自分自身の内側にある充実感を大切することが大切なんだと思います。

存在自体を認めること

子供に対して、プロセスやその子自身の変化を大切にするとお話しました。あとはそこに居る存在自体に感謝する。生まれてきてくれてありがとうとか、あなたがいてくれると助かるよと、存在自体を認めるっていうことがとても大事ですよね。それは、同じことが自分自身にも言えます。ただここに居るということそのものに。自分自身で価値がある存在なんだって思えることですよね。 それがやっぱり大事なんだよなあと思います。
今回は少し分かりにくいかもしれません。すみません。
ということで、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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ファミリードクター福田幸寛
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