「おまかせ」から生まれるものは何もない
仕事にバタバタと追われていて気づいたら最後にnoteに書いた記事から2週間は経っていました。
ふとお仕事をしていて思った事をつらつらと書いていこうと思います。
どんなお仕事でもそうですが「サポート」というお仕事があります。
ビジネスにおけるプロジェクトのサポートなどもあれば、漫画家のアシスタントなども「サポート」の一つだと思います。
僕が生業にしている音楽ではアーティストのサポートがありますし、アレンジもアーティストが作った楽曲をよりよくする為の「サポート」と呼べるものだと思います。
そのサポートには当然対価が支払われる訳で、
いわば自分ができない事をできる人にやってもらうor自分よりも優れている人にお願いするという仕組みになっています。
通常世の中のお仕事、例えば派遣社員などを思い浮かべると受注した側はやるべき仕事が決まっています。
例えば飲食店に派遣されればキッチンで作る手伝いをするかホールで接客業務をします。
先に挙げた漫画家のアシスタントに行くのであれば漫画家さんの作品を完成させる為に手伝います。
しかし音楽の場合は時々、「すべておまかせ」というアーティストさんに出会う事があります。
楽譜にも特に指示はなく、スタジオに入って演奏しても特に何も指示はない。
レコーディングするにしてもこんな作品にしたい、こういうイメージで弾いて!みたいなイメージもない。
これは例えば飲食店に派遣されてきた人に「じゃあ料理作って」と頼んでるのと何ら変わらないのです。
そのお店の味やこだわりなど何もなく外からやってきた人におまかせスタイル。
漫画家さんが派遣されてやってきたアシスタントにストーリーを考えさせるでしょうか?
確かにそのサポートに呼んだミュージシャンの腕を信じるのは良い事ですが、信じる事とおまかせは話が違います。
売れているアーティストほどこの辺の区別がとても上手で、
以前に有名な男性アーティストのサポートをした時の事、
アクシデントがあり僕がサポートする事に決まったのが本番二日前でした。
リハーサルは現地会場のみの当日数時間だけという状況でした。
リハーサルが始まり、とある一曲でギターソロをアドリブで弾いていました。
すると、曲が終わったあとに「福ちゃんさ、ごめん。この曲は音源通りのソロじゃないと俺イメージ湧かないんだわ。あのまま弾いてくれる?」
と指示がありました。
五分ぐらいの曲のほんの10秒ほどのソロです。
でもそこにこだわりがあって、その曲はそうじゃないと自分の世界にならないんだという事をしっかり持ってストイックに音楽をしているのです。
そりゃ当然売れるよなーと思いました。
もちろんそのソロはその場で音源を聴き確認後にそれを弾きました。
それを叶えるのが本来のサポートのお仕事であると思いますしね。
「おまかせ」というのは一見その人を信じているように見えますが、裏を返せば自分のこだわりがないという事に言い換える事ができます。
音楽だけではなく、やはり何かに飛び抜けている人はその事に関しての強いこだわりを持っていたりします。
「おまかせ」が化学反応を起こし素晴らしい作品になる事もありますが、それはとても低確率でやはり自分がやりたい事があるなら「おまかせ」とアウトソーシングの区別はしっかりつけるべきだなぁと思うのです
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