完成品=完成ではない
いよいよバンドのレコーディングも終盤も終盤にきまして、ようやくマスタリングまで終える事ができました。
マスタリングというのはレコーディングした曲を一つ一つ編集するミックスの後に行う作業の事で、録音した曲全ての音量バランスや質感を合わせていくのです。
これが終わればやっと世の中での「音源」として使えるものとなるのです。
「やっとできた!」と達成感で自分にご褒美をあげたくなるところですが、
作品はできてからが大切なのです。
僕自身もバンドを始めた頃に陥りがちでしたが音源を作る事に満足してしまい、その後その作品をどういう方向に導くかを考えていない事が多いです。
過去の流れとして、
CDを作る
↓
レコ発ライブをやる、流通をかける
↓
CDを売る
↓
バンド名を広げる。資金を集める。
というのがオーソドックスな考え方でした。
しかし現代は音源で収益をあげるという事がとても難しい時代です。
音楽は無料で聴くもの、もしくは月額で聴き放題
というのがYoutubeやSpotifyの台頭により一般的になりました。
音源制作自体が最終目的にはなり得ない時代なのです。
これはCDという媒体に限った話ではなく配信も含めてです。
もちろん自分の記録の為にという話であれば別ですが多くの活動しているアーティストはそうではないはずです。
音源は目的の為の手段の一つでしかないのです。
それではどうすれば良いのか?
それはバンドの目的や聴いてもらいたい対象によって変わってくると思います。
例えば多くの子供たちに聴いてもらう為に童謡を作ったのにサラリーマンが集まる居酒屋で流してもらっても効果は期待できません。
子供が音楽を聴く場所で流す、もしくはお母さん達を取り込む必要があります。
その為にはどうしたら良いか?を考えなければなりません。
僕には1歳の子供がいるので行動範囲で思いあたるのはまずYoutubeです。
「えー!そんな小さい頃からYoutubeなんて!?」
と思う方もいるかもしれませんがウチの家庭はもちろん子供向けの動画は凄く見られていて再生回数も数十万なんて当たり前の世界です。
家事をしたり、ホッと一息つきたい瞬間に集中しておいてもらう為だったり寝かしつける為に動画を見せたりしているのです。
子供が喜びそうな乗り物の動画などと合わせて音楽を貼り付けるのは一つの手段ではないでしょうか?
あとは土日の家族で出かけそうな場所で流してもらうというのも一つの手段だと思います。
例えばショッピングセンター内のお店などは効果的ではないでしょうか?
土日にショッピングセンターに行くと子連れの家族がたくさん来ています。
カフェなどではインストアライブをやらせてくれるところもあるのでそういったイベントを利用するのも良いと思います。
そして大切なのはこれらの事をして結局何がしたいのか?
を今一度考えなければなりません。
・Youtubeで再生回数が上がった。
・インストアライブをしたら子連れの家族がたくさん見てくれた。CDも買ってくれた。
とても嬉しい事ですが、それだけでは
だから?
になってしまうのです。
今も読みながら「そういう方法もあるよねー。」と思いながら見てくれていた方もいると思いますが人間どうしても今やっている事が目標にすり替わりがちになります。
最初の目的は童謡を多くの子供達に聴いてほしい。
だったはずです。決してインストアライブで聴いてもらう事が目的ではなくそれは途中経過なのです。
より多くの人に聞いてもらう為にそのインストアライブに他の子供たち、お母さんたちに広めてもらう仕組みを作った方が良いはずです。
その仕組みの為に音源を制作した
というのが本来の音源の役割ではないでしょうか?
完成品は物事にとっての完成ではなくスタート作る為の手段に過ぎないのです。
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