名画で読み解く 英国王室物語「KING&QUEEN展」の注目の女王たち
2021年1月10日(日)、上野の森美術館で開催中の「KING&QUEEN展」に行ってきました。
ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵
「KING&QUEEN展」
ー名画で読み解く 英国王室物語ー
上野の森美術館 2020年10月10日(土)~2021年1月11日(月)
https://www.kingandqueen.jp/
「イギリスは、女王の時代に繁栄した」と言われていますので、注目すべき4人の女王について、整理しておきましょう。
無敵艦隊を破った処女王「エリザベス1世」
チューダー朝。絶対君主ヘンリー8世の次女。異母姉メアリー1世に世継ぎがいなかったため、1558年に女王となります。
生涯独身を貫き、「処女王」と呼ばれたのは有名で、スペインの無敵艦隊を破り「大英帝国」の礎となりました。
肖像画では、白塗りのお化粧と、豪華絢爛な衣装。身に着けた真珠の意味。処女の象徴、イギリス国王としての覚悟に震えました。
参考になる映画
「エリザベス」(1998年)
「エリザベス・ゴールデン・エイジ」(2007年)
「ふたりの女王メアリ―とエリザベス」(2018年)
ヨーロッパの祖母?「ヴィクトリア女王」
ハノーバー朝。在位1877年~1901年は、現在のエリザベス2世に次ぐ、長さ。「君臨すれども統治せず」の立憲君主制の時代。
世界中に植民地をひろげ、インドの初代女王にもなった、大英帝国を象徴する女王。4男5女が、ヨーロッパ各国と血縁でつながり「太陽の沈まない帝国」と呼ばれたイギリスの力を盤石なものにしました。
参考になる映画
「ヴィクトリア女王 最期の秘密」(2017年)
憎めない・・・ブランデーおばあちゃん「アン女王」
スチュアート朝。在位1702年~1707年。子どもに恵まれなかった悲劇のアン女王。妊娠したのは14回とも18回とも言われていますが、流産、死産、無事に生まれても11歳までしか生きられず・・・ストレスでアルコールにおぼれ、肥満で「棺が正方形だった」と言われるほどに。
カトリック、プロテスタントの宗教問題から王室を救った「王位継承法」は、アン女王の時代にできました。
参考になる映画
「女王陛下のお気に入り」(2018年)
激動の現代史「エリザベス2世」
ウィンザー朝。在位1952年~現在。もっとも長い在位です。25歳で女王になり、当時はイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ連邦、パキスタン、セイロンなど多くの国の女王。激動の人生を、女王として過ごし、美しく、強く、やさしく、愛らしい女性だと思います。
カラフルなロイヤルファッション、元王妃ダイアナさんとの確執?でも話題になりました。94歳の今も現役で活躍する、かっこいい女王です。
「KING&QUEEN展」は、写真撮影NGだったのですが、この1枚だけは撮影OKでした。美しい。
参考になる映画
「クイーン」(2006年)
「ロイヤル・ナイト」(2015年)
女王の活躍と、ジェンダー平等の関係
「KING&QUEEN展」で、あらためてイギリスの女王のたくましさ、誠実さ、美しさ、人気を感じました。
女王への尊敬は、女性の尊重、敬愛にもつながりますよね。
ジェンダー平等に関するイギリスと日本の差って、こういったところにも関係が深いのでは?と思いました。
この辺・・・勉強不足なので、今後、深めていきたいところです。